二軍防御率0.00「力が必要になる時が来る」
ソフトバンクは31日、育成選手の渡邉雄大投手(28)と支配下選手契約を締結したと発表。新たな背番号は「48」に決定した。
渡邉は中越高から青山学院大、独立リーグのBC・新潟を経て、2017年の育成ドラフト6位で入団。9月19日には29歳の誕生日を迎える遅咲きの変則左腕が、育成3年目のシーズン折返しに嬉しい支配下登録となった。
今季は三軍戦での登板も重ねながら、ファーム11試合(11回1/3)に登板して防御率0.00の好成績。計7四死球を与え四死球率は悪化したものの、打たれた安打はわずか2本。速球は130キロ台ながら横手から繰り出すスライダーを武器に、イニング数を上回る17三振を奪い、奪三振率は過去最高の13.50まで向上した。
契約発表会見に出席した三笠GMは「ファームでずっと結果を残し続けていたということ。左のサイドではありますが、右打者も抑えている」と、現場とフロントの意見が一致しての支配下昇格であることを明かした。
続けて「6連戦がつづく日程のなかで渡邉投手の力が必要になる時が来るんじゃないか」と語り、「チームの優勝と日本一に貢献するようなピッチャーになってくれれば」と今後の活躍に期待を寄せた。
感謝の昇格、次なる目標は…
渡邉は「この年まで育成で成長する機会を与えてくださり、この度挑戦する場を与えてくれた球団に感謝の気持でいっぱいです。責任と大きなプレッシャーが出てくると思うんですけど、今まで通り自分のすべきことをして、チームに貢献していけたら」と意気込みを口にした。
2017年の育成入団組といえば、大竹耕太郎に周東佑京、今春支配下契約したリチャード・尾形崇斗ら、渡邉と同期入団の選手たちが立て続けに支配下昇格を果たした。
同期の活躍を目に「焦りとか悔しさがなかったといえば嘘になる」とこれまでの道のりを振り返ったが、「自分のできることに集中してやってきたつもりなので。また一足先に一軍で活躍している彼らと、一軍のステージでプレーできる日を一日も早く迎えられるよう頑張りたい」と、次なる目標を見据えた。
また、10月には子供が生まれる予定であることを明かし、「その子が僕の仕事を理解してくれるまで、一軍で活躍して投げていられるように。そこを目標に一日一日努力して頑張りたい」と、一家を支えるプロ野球選手として力強い一言も。遅咲きの変則左腕は、夢と希望が詰まった背番号48を背負い、新たな一歩を踏み出す。