先制点を奪うと…
8月以降は22勝10敗2分と圧倒的な強さを誇っている今季のロッテ。『逆転のロッテ』『1点差に強いロッテ』などとも呼ばれ、その勝負強さが際立っている。
また、『マーティンが本塁打を放った試合は11連勝中』『勝ちパターンの唐川侑己-ハーマン-益田直也が同時に登板した試合は7連勝中』、『石川歩が投げる金曜日は6連勝中』と、様々な“不敗神話”が生まれている。その中でも、種市篤暉がプロ初完封勝利を果たした7月25日の西武戦以降、先制した試合は引き分けを挟んで19連勝中と逆転負けを喫していない。
9月はここまで6勝を挙げているが、逆転勝ちした4日のソフトバンク戦以外、先制点を奪った試合はすべて勝利している。9日の日本ハム戦も、0-0の5回一死走者なしから井上晴哉がセンター前安打、田村龍弘の死球で一二塁とし、藤岡裕大の2点適時二塁打で先制。先発・小島和哉の力投からハーマン、益田の継投で逃げ切った。
投手陣の頑張り
9日の試合のように先行逃げ切りばかりではなく、先制点を奪った後に逆転を許すこともあるが、投手陣の粘投によって試合を壊さないことにより再逆転につなげている試合も少なくない。そして、唐川がセットアッパーに定着した8月以降は、先発陣がある程度試合を作り、リリーフ陣がそのリードを守りきる傾向も増えてきた。
リリーフ陣は、フレッシュな状態であれば7回・唐川、8回・ハーマン、9回・益田という形で逃げ切るが、連投が続けば、その日の状況に応じて、臨機応変に投手を入れ替えて起用している。現在、ハーマンと益田が連投中のため、今夜もリードしたまま終盤に入れば、いつもとは違う継投になるだろう。トレードで獲得した澤村拓一、さらには8月に入ってから安定した投球が光る小野郁などもおり、リリーフ陣には厚みが生まれた。
“逆転のロッテ”と呼ばれることの多いチームだが、今季は“逃げ切りのロッテ”でもある。先制点をあげれば高い確率で勝利を挙げているマリーンズ。熾烈な首位争いが続くなか、今夜の先制点はどちらに生まれるのかにも注目だ。
7月25日以降先制点を挙げた試合
【7月】25日 ○5-0(vs西武)
ロ|000 000 140|5
西|000 000 000|0
28日 ○13x-12(vs楽天)
楽|001 415 010 |12
ロ|042 300 031x|13
31日 ○5-4(vs楽天)
楽|002 000 020|4
ロ|010 004 00X|5
【8月】
4日 △5-5(vsオリックス)
ロ|130 100 000 0|5
オ|010 000 301 0|5
5日 ○12-1(vsオリックス)
ロ|000 470 100|12
オ|000 010 000|1
7日 ○6-3(vsオリックス)
ロ|022 000 020|6
オ|000 001 002|3
8日 ○9-3(vsオリックス)
ロ|013 301 100|9
オ|000 100 101|3
9日 ○4-0(vsオリックス)
ロ|000 100 003|4
オ|000 000 000|0
13日 ○8-6(vs日本ハム)
日|002 030 001|6
ロ|010 031 30X|8
14日 ○12-5(vs日本ハム)
日|000 104 000|5
ロ|506 000 01X|12
16日 ○6-5(vs日本ハム)
日|003 002 000|5
ロ|201 020 01X|6
18日 ○6-4(vsソフトバンク)
ソ|010 000 030|4
ロ|111 000 30X|6
25日 ○8-4(vs楽天)
ロ|300 000 500|8
楽|031 000 000|4
26日 ○2-0(vs楽天)
ロ|020 000 000|2
楽|000 000 000|0
28日 ○5-3(vsオリックス)
ロ|100 130 000|5
オ|101 001 000|3
【9月】
3日 ○8-5(vs西武)
西|000 021 011|5
ロ|010 150 01X|8
5日 ○5-4(vsソフトバンク)
ロ|010 100 300|5
ソ|000 103 000|4
6日 ○4-2(vsソフトバンク)
ロ|000 040 000|4
ソ|000 002 000|2
8日 ○3-2(vs日本ハム)
日|001 100 000|2
ロ|100 020 00X|3
9日 ○2-1(vs日本ハム)
日|000 000 100|1
ロ|000 020 00X|2
文=岩下雄太