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絶好調! 吉川尚輝が巨人の正二塁手不在に終止符を打つ

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巨人・吉川尚輝

9月の月間打率は驚異の「.413」


 プロ野球のペナントレースも残り2カ月を切った。セ・リーグでは巨人が独走体制に入り、9月16日時点でマジック「35」が点灯している。そんな巨人は、エースの菅野智之が11連勝中と手がつけられない無双状態。坂本勇人や丸佳浩といった主軸も、ここにきて本来の調子を取り戻している。

 また、育成ドラフトから這い上がってきた苦労人の松原聖弥もスタメンに定着。ベテランの中島宏之や亀井善行も衰えを見せることなく、いい場面で快音を響かせている。代走の切り札である増田大輝、さらにはウィーラーや高梨雄平といったシーズン途中に加入した新戦力も躍動中だ。

 他球団からすると、主役、脇役さらには新戦力と、チーム全員が結果を残している巨人に対しては、お手上げ状態といっていいだろう。そんな中で、巨人にとって長年の課題となっていた二塁のポジションを、9月に入ってから吉川尚輝で固定できたことも大きい。

 原辰徳監督は今春のキャンプ前から、「捕手、一塁、二塁は空いている。外国人選手の補強もお願いしている」と、外国人選手の補強をちらつかせながら、若手、ベテラン問わず競争を促していた。

 その言葉どおり、開幕当初から二塁に関しては、吉川尚(47試合)、北村拓己(13試合)、若林晃弘(7試合)、増田大輝(4試合)、吉川大幾(1試合)、湯浅大(1試合)と6人の選手をスタメンで起用してきた。

 しかし9月に入ってからは、吉川尚が坂本の欠場した9月16日の試合で遊撃を守った以外は、全試合において二塁でスタメン起用されている。その期待に応えるかのように打ちまくり、9月5日からは9試合連続安打とチームの連勝に大きく貢献。月間打率は「.413(46-19)」を記録し、8月末時点の打率.235(136-32)から打率.280(182-51)と4分5厘も上げた。

 また、守備範囲を武器に守りでもたびたびピンチを救っており、いまや攻守に欠かせない存在となった感がある。


仁志敏久以降は二塁手をほぼ固定できず


 入団1年目から、吉川尚のポテンシャルの高さには目を見張るものがあった。ただ、故障が多く、これまではチャンスを逃し続けてきた。入団1年目は、新人合同自主トレ中の故障で三軍からのスタート。定位置を掴みかけた2年目も、試合中のアクシデントで骨折し、92試合の出場にとどまっている。

 昨シーズンも開幕スタメンをつかみ取り、打率.390(41打数16安打)と見事なスタートダッシュを見せたが、わずか11試合で腰痛によってリタイア。それ以降、一軍での出場はなく、一時は外野の守備練習も行っていたほど。プロの世界に「タラレバ」は禁物だが、まさに「故障がなければ……」という典型的な選手だった。

 しかし、今年は熾烈なレギュラー争いを勝ち抜き、ここまでは順調に結果を残している。これは今シーズンだけではなく、今後の巨人を考えるうえでも非常に大きい。

 巨人の二塁手を振り返ると、10年単位でレギュラーの固定に苦しんできた。2000年代前半は仁志敏久が不動のレギュラーだったが、それ以降は脇谷亮太(2010年)、片岡治大(2014年)と、規定打席に到達したのはたったのふたり。ちなみに2010年の脇谷はサードでの先発出場も多かったため、純粋な二塁手としては片岡が唯一となる。

 リーグ優勝を果たした昨シーズンも、スタメン出場は若林の57試合が最多だったように、レギュラーの固定に苦しんできた。このまま故障なく吉川尚が結果を残し続けることができれば、巨人の正二塁手不在の歴史に終止符が打たれることになるだろう。

▼ 過去20年のシーズン最多スタメン二塁手
2019年:若林晃弘( 57試合)
2018年:吉川尚輝( 67試合)
2017年:マギー ( 60試合)
2016年:クルーズ( 71試合)
2015年:片岡治大(102試合)
2014年:片岡治大(115試合)
2013年:寺内崇幸( 59試合)
2012年:藤村大介( 63試合)
2011年:藤村大介(106試合)
2010年:脇谷亮太( 69試合)
2009年:脇谷亮太( 44試合)
2008年:木村拓也( 82試合)
2007年:木村拓也( 77試合)
2006年:小坂 誠( 57試合)
2005年:仁志敏久(128試合)
2004年:仁志敏久(137試合)
2003年:仁志敏久( 64試合)
2002年:仁志敏久( 97試合)
2001年:仁志敏久(139試合)
2000年:仁志敏久(132試合)
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