◆ 前日のハマスタ初勝利に続き、巨人から連勝
18日、今季初めて本拠地・横浜スタジアムで巨人に勝利したDeNA。19日も勢いのままに挑み、得意の一発攻勢と投手陣の踏ん張りで快勝。この日から規制が緩和され、スタンドを360度埋めたお客さんの前で好ゲームを披露した。
まず初回、相手の失策で出塁した梶谷隆幸が盗塁を決めてチャンスを作ると、4番の佐野恵太は巨人先発・今村信貴が投じた内角をえぐるシュートをうまく捌き、ライト線へと運ぶ先制タイムリー。早々に主導権を握る。
さらに3回には、梶谷が118キロのスライダーに見事な対応。高い放物線を描いた打球がそのままレフトスタンドに着弾すれば、続いて登場したネフタリ・ソトは対照的な弾丸ライナーでレフトスタンドに突き刺す2者連続の16号ソロ。これがNPB通算100号というメモリアルアーチでリードを広げた。
その後は6回に1点を返されたものの、7回には倉本寿彦の四球からチャンスをつくり、梶谷がこの日2本目となる14号2ラン。さらにタイラー・オースティンの二塁打の後、4番の佐野にダメ押しの2ランが飛び出し、7-1とダメを押した。
◆ 明暗を分けた“7回の攻防”
アレックス・ラミレス監督は試合後、「ターニングポイントだった」と7回を振り返る。
布石は6回表、好投を続けていた先発の濱口遥大が球数80を超えたあたりで、制球に乱れが生じてきたことに始まる。
吉川尚輝に四球を与え、松原聖弥はアウトになったもののジャストミートされた。坂本勇人には適時二塁打を浴びて1点を返されると、指揮官は迷わず投手交代を決断。国吉佑樹にスイッチした。
二死ながら二塁に走者を置いて、迎えるは巨人の主砲・岡本和真。ちょうど2カ月前、9回同点の場面で決勝弾を浴びた相手である。
一発出れば同点という緊迫の状況、右腕はフォーク攻めを選択して見逃し三振。見事にリベンジを果たした。
その裏、味方が一死満塁とチャンスをつくりながら、追加点はならず。難しい局面で回跨ぎのマウンドに向かった国吉は、一死満塁というピンチで途中降板。一打同点の場面で、3番手のエドウィン・エスコバーにバトンを託す。
「濱口、国吉と自分の仕事をした。自分も抑える」と、大ピンチにも強気でマウンドに登った左腕は、ヘラルド・パーラを投ゴロに仕留め、ダブルプレーに斬る無失点リリーフ。注文通りの投球で、2点のリードを守った。
試合後、指揮官は「ジャイアンツ相手に連勝することは簡単なことではない。そういった意味でも今日の勝利は非常に大きく、希望を繋ぐことが出来た。あすも重要な戦いになる」とコメント。
依然として首位との差は10ゲーム以上あるが、まだまだセ・リーグの灯火は消させない。「4万人以上の歓声に聞こえた」という、ファンの後押しも背に受けながら、3連勝に向けて強く意気込んだ。
取材・文=萩原孝弘