シェーン・ビーバー

◆ 投手最高の栄誉へ…

 2020年のメジャーリーグも、レギュラーシーズンの終了まで1週間を切った。

 現地時間21日(日本時間22日)現在で、プレーオフ16枠のうち7枠は確定。残りの9枠を巡って、19チームが可能性を残しているという状況だ。

 短縮シーズンとはいえ、個人のタイトルレースも気になるところ。特に今季は開幕から好投を続けているダルビッシュ有の活躍で、日本でもサイヤング賞争いに関する話題は多くなった。

 そのダルビッシュだが。現地20日の登板で打ち込まれてしまい、現状はやや厳しい。ただし、ナショナル・リーグ(NL)には飛びぬけた成績を残している投手がいないため、最後まで目が離せない状況であることは変わらないだろう。

◆ 通算勝率7割超え!

 一方、アメリカン・リーグ(AL)のサイヤング賞争いは、インディアンスのシェーン・ビーバーの“一択”という情勢になっている。

 今季の成績は11試合に先発して8勝1敗。防御率は1.74という圧巻の数字で、すでにサイヤング賞当確と言っても過言ではない。

 勝利数・防御率・奪三振数のすべてが両リーグで見ても単独トップ。11試合中10試合でクオリティ・スタート(=QS/6回以上投げて自責点3以下)を記録するというオマケつきだ。

 そしてこの投手の最もすごいところは、「とにかく負けない」ということ。

 2018年にデビューしたビーバーは、その年の防御率が4.55ながら11勝5敗。6つの貯金を作る。すると、防御率を3.28と改善させた昨季は15勝8敗の貯金7。サイヤング賞投票でも4位に食い込んでいる。

 こうして迎えた今季、コロナ禍の難しい状況で、昨季と同じ7つの貯金を積み上げ、デビューから3シーズン合計の貯金は20にも上る。通算成績は65試合の登板(うち先発は63試合)で34勝14敗。勝率は.708と、驚異的な数字を誇る。

 ちなみに、通算63先発以上の現役投手で、ビーバーを上回る勝率を記録している投手は1人もいない。2位のクレイトン・カーショーですら、通算.697で7割には届かない。

 また、カーショーも3年目までで見ると、1年目は5勝5敗、2年目は8勝8敗と貯金を作ることはできなかった。3年目が13勝10敗でキャリア初の勝ち越し。あの最強左腕と比べてみても、3年目までの貯金数ではビーバーが圧倒しているのだ。

 ただし、チームは現在AL中地区の3位。ワイルドカード枠でのポストシーズン進出は濃厚とはいえ、4年ぶりのワールドシリーズ出場には、ALの強豪相手に短期決戦を勝ち上がっていかなければならない。

 ビーバー自身はポストシーズンはまったくの未経験。チームを1948年以来への世界一へ導くことはできるだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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