カブス・ダルビッシュ投手

◆ 日本人初の「最多勝」を引っ提げて

 現地時間27日、メジャーリーグは今季のレギュラーシーズン全日程を終え、ポストシーズンに出場する16チームが決まった。

 3年ぶりにナ・リーグ中地区を制したカブス(第3シード)は、2戦先勝制のワイルドカードシリーズでマーリンズ(第6シード)と対戦する。その第1戦もしくは第2戦に先発を予定しているのが、今季日本人投手として初となる最多勝のタイトルを獲得したダルビッシュ有だ。

 今季は12試合に先発し、8勝3敗、防御率2.01という圧巻の成績をマーク。ナ・リーグのサイヤング賞候補にも名前が挙がっており、当然ポストシーズンでも大車輪の活躍が期待される。

 対戦相手のマーリンズは今季、31勝29敗の成績でナ・リーグ東地区2位。2つの貯金をつくり、17年ぶりにポストシーズン進出を決めた。しかし、得失点差は「-41(263得点/304失点)」で、総合力ではカブスの方が格上と見ていいだろう。

 しかし、ダルビッシュにとってマーリンズとの対戦には、あまりいい記憶はないかもしれない。今季は対戦していないが、昨季までのマーリンズ戦通算成績は、5試合に登板し、2勝1敗。勝ち越してはいるが、防御率は「6.08」となっている。

◆ 過去を振り返ると……

 今季のマーリンズ打線は、打率こそリーグ平均レベルだが、本塁打数は下から数えたほうが早く、迫力という点で派手さに欠ける。しかし、俊足の選手が多く、盗塁数はパドレスに次いでメジャー2位。走者を許した際には厄介な打線になるかもしれない。

 もうひとつ気になるのが、ワイルドカードシリーズの3試合が全てカブスの本拠地、リグレー・フィールドで開催されること。カブスに移籍後、本拠地では27試合、7勝10敗、防御率4.14。一方、敵地では24試合、8勝4敗、防御率2.99という成績。今季に関しては本拠地でも勝ち越しているが、敵地では3勝0敗、防御率0.45という安定感を誇っていた。

 そんな中で最も気になるのが、ポストシーズンにおける成績。これまでのポストシーズンでは、レンジャーズとドジャース時代に6試合に投げ、2勝4敗、防御率5.81と打ち込まれている。自身3年ぶりとなるポストシーズン登板では、過去の苦い記憶を払拭してもらいたいところだ。

 「マーリンズ打線」、「本拠地開催」、そして「ポストシーズンでの勝負弱さ」。短期決戦という難しさはあるかもしれないが、今季開幕から見せ続けた力強い投球を披露できれば、マーリンズ打線を手玉に取ってくれるはずだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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