球界を代表する右腕に初の栄冠
オリックスのエース・山本由伸投手が9月の『大樹生命月間MVP賞』を初受賞。会見を行った。
9月の山本は5試合に登板して4勝1敗(37投球回)、すべての試合でクオリティースタートを記録し、防御率0.73、46奪三振と圧巻の成績だった。今シーズンは16試合に登板し、8勝3敗、防御率2.26、奪三振132で「防御率」「奪三振数」「投球回」はリーグトップ。2年連続の個人タイトル獲得も見えてきた。
さらなる高みを見据える“エース”
印象に残っている試合には「三振も取れて、調子が上がってくる中で、感覚が良かったので印象深い」と、8回無失点14奪三振の快投を演じた29日の西武戦を挙げ、その中でも「決め球のフォークが良かった。ストレートで空振りが取れて、どのボールでも三振が奪えた」と笑顔を見せた。
自身の投球スタイルについても言及。「やはりストレート。1,2年目はストレートで空振りが取れなかったので、強いストレートを求めてやってきた。ストレートで押せたら、あとは変化球で三振を取ったり、さらにストレートで抑えられる」と、こだわりを垣間見せる。
投手タイトルと初の二桁へ
8月は0勝1敗、防御率4.50と調子を落としていたが、そこからの復活劇については「焦るのが良くないので、いつもやっている練習で基本からもう一度作り直した」ことを明かし、「思ったより時間がかかったけど、力みとか、フォームのバランスに気をつけて修正しました」と、見事問題点を克服し、9月の快投劇につなげた。
目下のところ「防御率」と「奪三振」の投手タイトルでトップに立っている。山本自身も「ひとつでも多くタイトルを獲るとファンの方も喜んでくれると思う。1試合1試合を全力で、ベストパフォーマンスを出していければ」と、意欲を見せた。
今季の山本は、山岡泰輔とともにダブルエースの一角としてスタートしたが、山岡の離脱を受け、1人でローテーションを守ってきた。今季は投手二冠だけでなく、自身初の二桁勝利も視野に入れている。援護に恵まれない展開も多かっただけに、この終盤戦では状態を上げてきた打撃陣の援護にも期待したいところだ。
▼ 山本の月別成績
6月 2試合登板、防御率2.63、1勝0敗、奪三振13
7月 4試合登板、防御率2.79、2勝1敗、奪三振32
8月 4試合登板、防御率4.50、0勝1敗、奪三振32
9月 5試合登板、防御率0.93、4勝1敗、奪三振46
文=どら増田