1安打1犠打
7日のオリックス戦、『1番・レフト』で今季初出場を果たしたロッテの2年目・藤原恭大。確かな成長を見せた1日となった。
初回の第1打席、外のストレートを2球連続で見逃し簡単に追い込まれると、1ボール2ストライクからの4球目のスライダーをファウルにし、最後はインコースのストレートで見逃し三振に倒れた。3-0の2回二死二塁の第2打席も、アウトコース中心の攻めで最後はカーブを泳ぎながらの投手ゴロ。
第1打席、第2打席はアルバースの前に完璧に抑え込まれたが、しっかりと対応してくるのが藤原だ。3-1の5回無死走者なしで迎えた第3打席、「ストレートでやられて、2打席目は変化球にやられたので3打席目はストレート一本に絞って初球から積極的に打ちました」と初球のストレートを振り抜き、ライト前に弾き返す今季初安打。「ヒットになってよかったです」と喜んだ。
3-1の7回無死一、二塁の第4打席は、2番手・山田修義が投じたスライダーを捕手前に転がした。しっかりと初球で犠打を決め、好機を広げると続く中村奨吾が犠飛。得点に繋がる“価値”ある犠打だった。
9月はファームで打撃好調
「来年(2020年)にならないとわからないですけど、今は焦って中途半端な結果を残すより、二軍で力をつけて一気に一軍でずっと結果を残せられるようなところを目指しています」と昨年11月の取材でこのように話していた藤原。
新型コロナウイルス感染で“特例2020”の対象選手として一軍登録抹消された“代替指名選手”での昇格ではあるが、ファームでは9月月間打率.294を残し、17試合全てで出塁するなど、しっかりと力をつけて一軍の舞台を掴んだ。
特に9月は安打だけでなく、四球を選んで出塁することも多かった。塁に出ることができれば、“足”という武器をアピールする機会も増える。ファームでは、9月15日の日本ハム戦の8回、四球で出塁すると、続く平沢大河の三邪飛でサードの体勢が悪いとみて、一塁から二塁へ進塁するということもあった。一軍でも、次の塁を狙う積極的な走塁を見せていきたいところだ。
打席内での表情を見ても、プロ1年目の昨季に比べて、目つきが鋭く、このチャンスをモノにしてやるという強い気迫を感じた。この1試合だけでなく、結果を残し続けることでチャンスが広がってくる。チームのピンチをチャンスに変え、一軍で居場所を掴むことができるか注目だ。
文=岩下雄太