前カードのオリ戦は1勝1敗
「1試合1試合勝っていくだけ」(ロッテ・井口資仁監督)。
2位・ロッテは、敵地・PayPayドームに乗り込み、今日から首位・ソフトバンクと3連戦に挑む。
ソフトバンクを「1.0」ゲーム差で追う2位のロッテは、前カードのオリックス戦、新型コロナウイルスの感染などで多くの主力を欠く中、1勝1敗だった。
初戦こそ山本由伸に完璧に抑えこまれて敗れたが、2戦目は初回に井上晴哉の3ランで幸先よく先制。3点の援護をもらった小島和哉は走者を出しながらも粘りのピッチングで6回を1失点にまとめ、7回からは継投策に入る。セットアッパー・唐川侑己が、7回の1イニングをきっちりとスコアボードに0を入れた。
その裏、先頭の佐藤都志也が右安で出塁すると、茶谷健太の投手前のバントを投手・山田修義が二塁へ悪送球し一、二塁。藤原恭大がきっちりと初球で送って二、三塁とし、中村奨吾がきっちりとセンターへ犠飛。
4-1とすると、8回は澤村拓一、9回は満塁のピンチを招きながらも益田直也が無失点に抑え、逃げ切った。
抜群の安定感を誇る救援陣
今季マリーンズの躍進を支えているひとつが救援陣だ。セットアッパーとして期待されたジャクソンが7月8日退団した後は、それまで勝ち試合の7回を務めていたハーマンが8回に回り、7回を投げる投手は流動的だった。7月末までのチーム救援防御率は4.39(108回2/3 自責53)とやや精彩を欠いていた。
8月9日のオリックス戦から唐川が勝ちパターンの7回を担当するようになると、7回・唐川、8回・ハーマン、9回・益田の勝利の方程式が確立され、チームも白星が増えた。月7日に巨人からトレードで澤村が加入し、ブルペンの層がさらに厚くなった。
ハーマンが9月16日に『右手第2指伸筋腱損傷』で一軍登録抹消されたが、澤村が勝ちパターンの8回を投げ、ここまで12試合に登板して、0勝1敗7ホールド、1セーブ、防御率1.54。ハーマンの穴を感じさせない抜群の安定感だ。
勝利の方程式が再構築された8月1日以降のチーム救援防御率は、リーグ2位の3.02(164回 自責55)と大きく向上した。
終盤を見据えて起用法
救援防御率が良くなった背景には“勝利の方程式”を再構築できたこともあるが、大事なシーズン終盤を見据えて、リリーフ陣を大事に起用してきたことも大きい。
開幕してから9月の第4週まで、1週間に4登板以上登板したリリーフはおらず、6連戦中に3連投(月曜日の休日を挟んで3連投はある)も、9月3日の西武戦から5日ソフトバンク戦にかけて3連投した益田の1度しかない。そのため、8回・唐川-9回・ハーマン、8回・唐川-9回・益田で逃げ切るということもあった。
9月29日の日本ハム戦の週から澤村、益田が1週間に2度連投し、チームでは今季初めて1週間に4度登板。残り30試合を切り、1週間に4度以上の登板が“解禁”され、今日からのソフトバンクの3連戦では「金、土、日なので、シチュエーションを見ながら、3連投いければと思っていますけど、まだまだ先が26試合あるので、状況見ながらピッチャーのコンディションを見て」と井口監督は、コンディション、場面次第で“3連投”させる可能性があることを示唆した。ちなみに、8日のオリックス戦は試合前に雨天中止となっており、今週はここまで“勝ちパターン”の唐川、澤村、益田の登板は、1試合となっている。
リーグ突ッパ!に向けて負けられない試合が続いていく。今季5勝1敗と相性の良い敵地・PayPayドームで首位・ソフトバンクとの3連戦を勝ち越し、13日から本拠地・ZOZOマリンで行う楽天戦、日本ハム戦でさらに勢いを加速させたいところだ。15年ぶりにリーグ制覇するためにも、この3連戦をなんとしても勝ち越したい。
文=岩下雄太