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和田、安田、藤原…目立つロッテ若手野手の台頭

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ロッテ・安田尚憲

急速に進む若手の世代交代


 ロッテ野手陣の“世代交代”が一気に加速しそうな勢いだ。

 昨季まではレギュラーで20代の選手といえば、キャッチャー・田村龍弘、セカンド・中村奨吾、ショート・藤岡裕大の3人で、30代の経験のある選手がスタメンに名を連ねることが多かった。今季の開幕のオーダーを見ても、20代の選手は中村、田村、藤岡の3人のみ。若手野手の突き上げが課題のひとつになっていた。

 ただ今季は主力選手の離脱が相次ぎ、若手に多くチャンスが回ってきており、10月16日の日本ハム戦では、藤原恭大、安田尚憲、西巻賢二といった20代前半の選手もスタメン入り。一軍で居場所を掴もうと、今季は若手が奮闘する姿が目立つ。

▼ 6月19日ソフトバンク戦
(中)福田秀[31歳]
(DH)角 中[33歳]
(左)荻 野[34歳]
(三)レアード[32歳]
(右)マーティン[32歳]
(二)中村奨[28歳]
(一)井 上[30歳]
(捕)田 村[26歳]
(遊)藤 岡[26歳]
平均年齢=30.2歳

▼ 10月16日日本ハム戦
(左)藤 原[20歳]
(右)マーティン[32歳]
(二)中村奨[28歳]
(三)安 田[21歳]
(一)井 上[31歳]
(中)福田秀[31歳]
(指)角 中[33歳]
(捕)田 村[26歳]
(遊)西 巻[21歳]
平均年齢=27歳

※試合当日の年齢

和田が代走で存在感


 今季、若手野手で最初にアピールしたのが和田康士朗だ。春季キャンプは二軍スタートも、今季初の対外試合となった2月8日の楽天モンキーズ戦で特大の本塁打を放った。「まずは一軍に帯同して、オープン戦と出させてもらって、結果を出さないと支配下はないと思う。今年が3年目の勝負の年なので、今年はしっかり結果にこだわってやっていきたいと思います」。

 2月11日の第3クールから一軍に合流し、練習試合、オープン戦で武器である“足”でアピール。開幕前の6月1日に支配下登録選手となると、6月の練習試合で8盗塁をマークし開幕一軍をつかんだ。プロ初出場となった6月19日のソフトバンク戦でプロ初盗塁を決め、プロ初スタメン出場となった8月16日の日本ハム戦で、プロ初安打を含む3安打3盗塁の活躍ぶり。一時は盗塁ランキングでリーグトップに立つなど、ここまでリーグ3位の21盗塁。試合終盤の“代走の切り札”として、自身のポジションを確立した。

安田が7月21日から4番に座る


 「レアードもいますし、井上晴哉さんもいますし、すごく高い壁。簡単に(レギュラーが)獲れる世界ではないと思うので、まずは目の前の自分のできることをしっかりやっていきたいというのが、自分の今年の目標です」。

 1月の自主トレでこのように話していた安田は、2月の練習試合の打率.242(33打数8安打)、1本塁打、8打点。オープン戦が始まってからも、2月29日の楽天戦から3試合連続でスタメン出場も11打数0安打。途中出場した3月4日のオリックス戦で、1安打2打点も、そのほかの試合でインパクトの残る働きを見せることができなかった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によりプロ野球の開幕が6月19日に変更となったことで、再びアピールするチャンスが訪れた。6月の一軍練習試合で打率.375(16打数6安打)、1本塁打、2打点とアピールし、開幕一軍を掴む。開幕してからしばらくは当たりが出なかったが、7月7日の西武戦で今季初本塁打を放つと、サード、ファースト、指名打者でのスタメン出場機会を増やし、7月21日の西武戦から4番を務める。

 レアードが故障で離脱する中、マーティン、井上晴哉、中村奨吾といった経験のある打者とともに打線を引っ張り、ここまでチーム3位の48打点をマーク。シーズンの規定打席にも到達した。ただ、10月は月間打率.152と壁にぶつかっているようにも見える。

 ここ最近のZOZOマリンスタジアムの試合前の打撃練習では、昨季までのように反対方向から打ちはじめ、センター、ライトと広角に打ち分けている。打撃練習、走塁練習、守備練習が終わったあと、再びバットを握りグラウンドでティー打撃や素振りを行うなど、現状を打破しようと試合前も入念に準備している。

藤原が躍動


 高卒2年目の藤原は、福田秀平がソフトバンクからFAで獲得し外野の層が厚くなり、昨年の安田と同じように開幕からみっちりと二軍で実戦経験を積んでいたが、新型コロナウイルス感染で“特例2020”の対象選手として一軍登録抹消された“代替指名選手”での昇格。

 今季初スタメンとなった7日のオリックス戦に『1番・レフト』で先発出場すると、第3打席に「ストレートでやられて、2打席目は変化球にやられたので3打席目はストレート一本に絞って初球から積極的に打ちました」とアルバースの初球のストレートを振り抜き、ライト前に弾き返す今季初安打を放った。

 9日のソフトバンク戦でプロ初の猛打賞、11日のソフトバンク戦は無安打ながらも四球を選び出塁すると、14日の楽天戦で涌井秀章の初球をプロ初本塁打となる先頭打者本塁打。16日の日本ハム戦も先頭打者本塁打、第2打席にライト前安打を放つ活躍で、勝利に貢献した。

 打席内での表情を見てもプロ1年目の昨季に比べ、目つきが鋭くなり、このチャンスをモノにしてやろう、なんとしても打ってやろうという強い気迫が伝わってくる。リーグ優勝を争うチーム状況のなかでしっかり戦力として、活躍していることは来年以降に向けて大きな“価値”があるといえそうだ。

 そのほかにも、代打で打率.333(27-9)、5打点と開幕から1度もファーム落ちすることなく一軍でプレーするルーキーの佐藤都志也、藤原とともに新型コロナウイルス感染で“特例2020”の対象選手として一軍登録抹消された“代替指名選手”で昇格した西巻賢二も現在7試合連続で『9番・ショート』でスタメン出場する。

 リーグ優勝を争う緊張感のある試合が続くなかで、若手選手が“経験”を積むだけでなく、“戦力”として働いている姿は頼もしい。今季だけでなく、来季以降も非常に期待がもてる。

文=岩下雄太
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