● 阪神 1 - 5 広島 ○
<21回戦・甲子園>
広島の九里亜蓮投手(29)が9回途中1失点の好投で7勝目。今季ここまで2戦1敗だった阪神を相手に白星を掴み、今季はセ・リーグ5球団を相手に白星をコンプリートした。
初回を三者凡退と上々の立ち上がりを見せると、2回以降も丁寧に変化球を散らして5回途中まで打者14人斬りのパーフェクトピッチング。5回二死からボーアに四球を与え、6回には1番・近本に右線二塁打を打たれたが、ともに後続を許さずスコアボードにゼロを並べた。
序盤に援護をもらいテンポよくアウトを積み重ねる右腕は、球数が100球に迫ろうかという8回に7番・坂本、8番・小幡に対して二者連続で3ボールとなるも、ここも立て直し三者凡退。
しかし、完封目前となった9回、一死からこの日唯一の安打を許していた近本に右前打を許すと、代打・原口、3番・糸井と3連打を浴びて失点。ここで守護神・フランスアに後を託し、この日は8回1/3(113球)で被安打4、奪三振7、与四球1という内容だった。
九里は試合後のヒーローインタビューで「しっかり真っ直ぐが投げきれていたのと、落ち球もある程度思ったところに投げられていた」と手応えを振り返りつつ、「やっぱり最後まで投げきれず、悔しい気持ちしか最後残ってない」と表情は晴れず。「次はイニングの最後まで投げきれるように準備をしていきたい」と早くも次回登板を見据えていた。
九里はシーズン前半こそ打ち込まれる試合があったものの、9月28日に完封勝利を挙げてからは、4登板連続でハイクオリティスタート(HQS=7回以上2失点以下)をマークしており、10月は3戦2勝、防御率0.39、被打率.150と安定感抜群。
先発ローテの軸を期待されていた大瀬良大地、クリス・ジョンソンらを欠く苦しい台所事情のなか、ドラフト1位ルーキー・森下暢仁とともに広島投手陣を牽引する働きを見せている。