首位・ソフトバンクと「8.5」差に…
2位・マリーンズは西武に投打がかみ合わず4-7で敗れ、今季初の4連敗を喫した。
8月(16勝8敗2分)、9月(15勝11敗)はいずれも月間リーグトップの勝率で、9月終了した時点で首位・ソフトバンクと「0.0」ゲーム差の2位。46年ぶりとなるリーグ1位でのリーグ優勝の機運が高まり10月を迎えたが、主力選手が新型コロナウイルス感染、濃厚接触者が出て離脱、打線は9月もチーム打率.240だったが10月はそれをも下回る.203(22日終了時点)、さらに開幕からチームを引っ張ってきたマーティンが21日の西武戦の走塁中に左足を痛め、「左足関節捻挫」で離脱した。苦しいチーム状況のなか、投手陣は10月の月間防御率リーグ2位の2.65という数字が示すように懸命に腕を振ってきたが、打線の援護に恵まれず、白星を積み上げることができていない。
10月はここまで17試合戦って、6勝11敗と大きく負け越す。気がつけば首位・ソフトバンクに「8.5」ゲーム差まで広げられ、3位・西武とのゲーム差も「3.0」まで迫られた。特にマリーンズが10日のソフトバンク戦に敗れてから2勝8敗と急失速しているのに対し、首位・ソフトバンクは10日のマリーンズ戦に勝利してから11連勝。この2週間で、大きく水をあけられた格好だ。
積極的な走塁
現状のマイナス要素ばかり並べても、悪循環に陥るばかりである。今できることは目の前の試合をひとつひとつ勝っていくこと。
ポジティブな要素を探していくと、22日の西武戦で打線は4得点ながらも、9月29日の日本ハム戦以来となる2桁10安打を放った。
また、藤原恭大が初回に右中間を破る当たりで三塁を狙うもタッチアウト、福田秀平が中村奨吾の二邪飛でセカンド・山野辺翔の捕球体勢を見て二塁を狙いタッチアウトとなる走塁はあったが、この日の試合ではマリーンズの武器のひとつである“足を使った”攻撃が随所に見られた。
そのひとつが、3回の攻撃だ。この回先頭の藤岡裕大がレフト前に落ちる安打を放つと、レフト・外崎修汰が後逸しボールが転々としている間に、一気に三塁を陥れた。藤原のレフトへのフライで藤岡は、一時同点となるホームを踏んだ。
6回には二死二、三塁から二塁走者の中村奨吾が、藤岡の打球を処理したショート・源田壮亮からの送球を一塁・メヒアが落とし、メヒアがしりもちをついた一瞬の隙を見逃さず、三塁走者に続き二塁からホームインした。
6回の攻撃は、この回からマウンドにあがったギャレットに対し30球を投げさせ、3安打、1四球、3得点を奪うなど、球数を投げさせ、足を使って点を奪う、久しぶりに見せたマリーンズ“らしい”攻撃だった。投手陣は安定しており、こういった攻撃が増えれば得点力もあがり、チーム全体の調子を取り戻すことができるだろう。
残りは15試合で、「8.5」ゲーム差をひっくり返すのはかなり厳しい状況になったが、ソフトバンクのリーグ優勝がまだ決まったわけではない。最後の最後まで“マリーンズの意地”を見せて欲しい。
文=岩下雄太