家族への想い
DeNAのホセ・ロペス選手(36)は24日、本拠地・横浜スタジアムで行われた広島戦で日米通算2000本安打を達成した。
この日「3番・一塁」で先発したベテランは、初回二死走者なしの第1打席で、広島のルーキー・森下暢仁からレフト線に弾き返す安打をマーク。らしい当たりで節目の一本を記録し、一塁ベース上で記念のプレートを掲げると、本拠地を埋めたファンから大きな拍手が送られた。
「自分のキャリアで達成することが出来て嬉しい反面、達成の瞬間を家族と分かち合いたかったのが正直な気持ちです」
メモリアルな一打を喜びつつも、心残りは家族とともにこの瞬間を共有することができなかったこと。昨年は長男を一緒にお立ち台に上げ、無観客試合の際には自らが守る一塁側の最前列に家族の顔写真のプレートを並べるなど、家族想いな一面もよく知られている助っ人だけに、少し残念そうな気持も吐露した。
アメリカで1005本、日本で995本
今シーズンは「2000本」まで66本の時点でスタート。DeNAに来てからはアベレージで約140本、昨年も133本のヒットをマークしていることから、早い段階での記録達成が予想されていたが、今シーズンは開幕からなかなか調子が上向かず。
7月上旬には打率が.184まで下がると、同時にスタメン落ちというケースも増え、打率も2割程度で推移。7月は打率.287と少し盛り返したかに見えたが、8月に入るとまた不調に陥り、26日には故障以外では加入後初となる二軍落ちも経験するなど、苦しい戦いを強いられてきた。
それでも、9月22日に一軍に戻ると、その日の試合で日米通算2000試合出場を達成。10月には徐々に打球も上がりはじめ、本塁打も4本を記録。徐々に本来の姿を取り戻して来ているのは間違いない。
次なるターゲットは、あと5本に迫る「日米各1000本安打」──。外国人プレイヤー初の金字塔へ向けて、頼れる“チャモさん”の戦いは続いていく。
取材・文=萩原孝弘