大器の片鱗見せた2020年シーズン
11月も半ばに入り来シーズンへ向けて各球団が着々と動いている。その中で外国人選手たちの去就に関する報道も多くなって来ており、日本ハムでは、今季からチームに加入したビヤヌエバ選手が退団する見込みだという。
ビヤヌエバには、レアードの退団によって空いていた三塁の穴を埋める働きが求められていたが、巨人から移籍1年目の今シーズンは54試合の出場で、打率.220(168-37)、4本塁打と物足りない数字に終わったていた。
「強打者のポジション」でもあるサードが再び空席となるが、そのポジションを虎視眈々と狙っているのが高卒2年目のシーズンを終えた野村佑希だ。ビヤヌエバ退団の背景に、野村の存在があったことは間違いないだろう。
2018年のドラフト2位で花咲徳栄高から日本ハムへと入団した野村は今季、ビヤヌエバの離脱もあり出場機会を得ると、開幕前の練習試合で存在感を示して開幕スタメンに大抜擢。右手小指の骨折で長期離脱を余儀なくされ、21試合の出場にとどまったものの、打率.257(74-19)、3本塁打と大器の片鱗をうかがわせた。
村上や柳田らはフェニックス・リーグから飛躍を遂げる
現在、野村は「みやざきフェニックス・リーグ」で汗を流している。12日終了時点では、開幕から3試合連続で「4番」に入ると、そのすべての試合で打点をあげ、2試合目と3試合目には一発も放った。フェニックス・リーグということもあり、相手投手のレベルは一軍ほどではない。とはいえ、結果が出ていることは大きな自信になるはずだ。
過去のフェニックス・リーグを振り返ってみると、ここで結果を残し、翌年以降のブレイクにつなげた選手は多い。近年では村上宗隆(ヤクルト)がそうだった。ルーキーイヤーに同リーグへと参加した村上は、歴代最多の10本塁打を記録。2年目からの躍進は誰もが知るところだ。
その他にも、中田翔(日本ハム)や柳田悠岐(ソフトバンク)、山川穂高(西武)が一軍でブレイクする前に同リーグで最多本塁打を記録している。
日本ハムは2年連続でチーム本塁打の数がリーグワーストに終わった。本拠地が広い札幌ドームという部分はあるものの、レアードの在籍していた4年間で本塁打数がリーグワーストだったことは一度もなく、2015年から3位、2位、5位、3位と推移していた。レアードが抜けてからの2年間は、その穴を埋めることができていないのが現状でもある。
来シーズンでプロ入り3年目を迎える野村だが、サードのポジションをしっかりと埋めることができるだろうかーー。フェニックス・リーグで自信を深め、来季、一軍の舞台でさらなる飛躍を果たす姿を楽しみにしたい。
<今シーズン成績>
野村佑希(日本ハム)
21試合 打率.257(74-19) 本3 打点18