投手出身の球団生え抜き監督は45年ぶり
DeNAは17日、三浦大輔新監督の就任を発表し、横浜市内で就任記者会見を開いた。
三浦新監督は1992年にドラフト6位で当時の横浜大洋に入団後、25年間、ベイスターズ一筋でプレー。2005年に最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得するなど、通算172勝を挙げた。現役生活の終盤2014年から3年間は兼任で投手コーチも務め、2016年に引退。昨年、投手コーチに就任して現場復帰し、今季は二軍監督を務めていた。
おなじみのリーゼントスタイルで就任会見に臨んだ三浦新監督は、「来季から横浜DeNAベイスターズの監督として指揮を執らせていただくことになった。今まで経験したことを活かして来シーズンしっかりとチームを引っ張っていけるようやっていきますのでよろしくお願いします」と挨拶。
理想のチーム像として「結束」というキーワードを掲げ、「選手だけではなく、コーチ、スタッフ、1軍、ファーム、関係なく一つのチームとして結束を固めて1年間戦っていけるようにしっかりやっていく」と意気込みを語った。
契約年数は2年で年俸は推定7000万円。なお、三浦新監督の背番号は慣れ親しんだ「18」から「81」に変更する。
「18」番は三浦新監督が2016年に現役を引退した際に、「横浜ナンバー」として準永久欠番とし、ふさわしい選手が現れた場合に限り、三浦新監督と球団が協議して継承を認めることが決まっていた。
会見で三浦新監督は「やはり『18』番はマウンドの上で投げるからこそ輝く番号だと思う」と話し、継承する選手が現れることを待ち望んだ。
球団生え抜きの投手出身監督に限れば、1975、76年の秋山登監督以来、45年ぶりとなる三浦新監督。今季4位に終わったベイスターズは「ハマの番長」体制で来季、23年ぶりのリーグVと日本一を目指す。
三浦新監督一問一答
―今の気持ちは
「この会見場は引退会見の時に会見させてもらったが、あれから4年経って監督としてここで会見できること、喜びとともに責任を重く受け止めてしっかりと前を向いてやっていきたい」
―ラミレス前監督と話は
「シーズン中に僕は宮崎のフェニックスリーグへ行ったので、まだお会いしていない。就任のこととかあるし、去年も一緒にやらせていただいたのでその辺はコミュニケーションもしっかりとって、いろいろ話も聞いてみたい」
―目指すチーム像は
「現役として長い間やらせていただいて、2年ほど外から見させていただいて、昨年は投手コーチ、ことしはファームの監督としていろいろ見させていただいたが、自分がしっかりと一軍の監督としてやることは『結束』。選手だけではなく、コーチ、スタッフ、一軍、ファーム、関係なく一つのチームとして結束を固めて1年間戦っていけるようにしっかりやっていく。
ことしファームの監督をやらせていただいて自分自身も初めての経験で何もわからなかった状態から始めたところ、ファームのコーチ、スタッフ、トレーナーの方、みんなに助けられたからこそ、1年間できた。これはファームだけでなく、一軍になってもそうだと思うので。自分一人だけの力ではどうすることもできないこともコーチと選手、スタッフみんなでそこを助けてもらいながら力を合わせればすごく大きな組織になっていけると確信した。一軍・ファームしっかりと連携のとれた一つの大きなチームとして戦えるように。そのためには『結束』ということが必要だな、と。そこを目指してやっていく」
―ことしは二軍監督で、犠打数、盗塁数はイースタンリーグトップの数字を残したが、機動力野球は
「必要に応じてやっていく。あまり決めつけて、これと固執せず、柔軟な姿勢で、その時に状態のいい選手をしっかり見極めてやっていく」
―佐野恵太の「4番キャプテン」の継続は
「まだ選手ともコーチとも、1軍監督としてまだ誰ともお会いしていない。しっかりとその辺は話をして進めていきたいと思うが、ことし、しっかりと結果も出したし、確率的には高いと思う」
―どういうチーム、どこを目指すか
「目指すのは優勝だけ。優勝を目指して、そのために選手の持っている力をどうすれば最大限発揮できるのか、コーチと一緒に見極めて、その試合、その試合を戦っていくことを考えている」
―今、チームに足りないと思うところは
「足りなかったから、優勝できなかったと思うが、また新しい戦力も毎年入ってくるし、しっかりとその辺の見極めをして適材適所その選手の持っている力をどうすれば発揮できるのか。もちろん野球なので1点でも相手より多く取ること、得点力を上げることもそうだし、1点でも少なく、というところを目指してやっていきたい」
―来季、何が一番必要になるか
「得点力を上げることだと思っている。攻撃面でいえば、いかにホームベースを踏むか。そこだと思う。得点をどうしたら取れるのか、打撃コーチと相談しながら一番確率のいい方法を探っていきたい」
―先発投手に長いイニングを投げてもらいたい思いは
「先発投手と一括りにしてもいろいろなタイプの投手がいると思うので。それは選手個々の能力もある。選手の持っている力をどのように最大限発揮できるのか、完投能力のある投手にはそこを求めていくし、ショートイニング、中4日、5日でも回れる選手にはそちらを求めていくし、先発投手だからこうしないといけないというものはない」
―このチームを率いたい気持ちは以前からあったのか
「監督というのは指導者としても魅力はあった。そのためにはしっかりと自分も学ばないと。選手として25年やらせていただいたが、その後、指導者として、監督として、学ばないといけないと思っていた。そう考えると引退してからも球団から沢山のことを学ばせてもらった。それを今度は監督という立場でしっかりと発揮できるようにしていきたい」
―背番号は「18」から「81」に変えたが
「去年は投手コーチ、ことしはファームの監督と2年間、付けさせてもらったが、やはり『18』番はマウンドの上で投げるからこそ輝く番号だと思う。選手が付けるのが一番だ、ということでこの機会に変えさせてもらった」。
―どのような選手になったら『18』番にふさわしいと思うか
「僕個人というよりは、応援してくれるファンがそういう空気感でわかると思うので。そういう選手が出てきてほしいなと思う」
―ファンへ向けて
「感動を与えるというよりも、ファンの方と一緒に戦って一緒に感動して一緒に喜びたいなと思っているので、皆さんの力を…貸してください。お願いします」
三原一晃球団代表
「三浦監督に関しては1軍の投手コーチ、2軍監督と2年間に渡ってベイスターズの中で経験を積んでいただいたということ。その前にアドバイザーという形でベイスターズに関わっていただいた時に海外の野球であったりだとか様々な知見を広げていただいたので、今回そちらの方をいかんなく発揮していただきたいということで決定させていただいた。11月に入って南場オーナーと岡村社長と私の方で正式に要請をかけさせていただいて決定という形になった。最も横浜DeNAベイスターズらしさというものを理解されている方だと思っている。まずは三浦さんらしく、それからベイスターズ野球という個性を表現してもらえれば一番いいのかなと考えている。
契約年数は2年。スタートのタイミングで2年契約というのはラミレス監督もそうだったし、球団としては新しい監督の時はそういう風にさせてもらおうということで考えている年数。
私の個人的な意見としては三浦監督には1年でも長く務めていただきたい。ファンの皆さんが一番望んでいる方だと思う。何よりプレーヤーとしてやって来られた中で、野球に対する取り組み、周囲に対する気遣い、人柄的な部分で支持者が多いというか、周りに慕われるお人柄ということがある。トップに立つということで、彼を男にしよう、助けようというスタッフもかなりの数がいる。それこそチーム一丸となって戦っていければと考えている」
(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)