「実感も少しずつ湧いてきた」
ベースボールキングがYouTubeチャンネルにて毎週金曜日に配信しているアマチュア野球企画『みんなのドラフト』。27日公開分からは、新企画「ドラフト2020 指名選手インタビュー」がスタートした。
記念すべき第1回目には、埼玉西武ライオンズからドラフト4位指名を受けた駒澤大学の若林楽人選手が登場。今回は情勢を鑑みてリモート形式のインタビューにはなったが、"運命の一日"から1カ月経った現在の心境や、今後の意気込みについて語ってくれた。
若林は駒大苫小牧高から駒澤大へと進み、今年のドラフト会議で西武から4位指名を受けた右打ちの外野手。下級生の頃から快足とそれを活かした守備には定評があったが、打撃では安定した成績を残すことができず。
それでも、春のリーグ戦中止を受けて迎えた今年の秋は、打率.310に4本塁打を記録。大学生活の集大成、その成長の証をラストシーズンで見せつけ、プロ入りの夢を叶えた。
指名の瞬間については、「とりあえず、ほっとした。これが一番です」と振り返りつつ、1カ月が経った現在は、「実感も少しずつ湧いてきた。この期間で尚更やる気が湧いてきて、やれることを少しずつやっている感じです」と、徐々にプロ野球選手になるための準備をはじめているという。
また、4年秋の打撃面の成長に関しては、「“球の見方”から変えて、フォームも変えて、考え方も少しずつ変わっていったのがよかったかなと」とし、特に「(ボールを)両目で見る」ことを大事にしたのだとか。
4本のアーチを描いたことについても、「あまり強くスイングしなくても、遠くに飛ばすことができるようになった」と、手ごたえを口にしている。
対戦したい投手は?
今年は大学生が豊作と言われたドラフト会議。なかでも日本ハムにドラフト1位で指名された苫小牧駒澤大の伊藤大海は、若林にとって駒大苫小牧高時代の先輩にあたる。
プロで同リーグの所属となったことについて「意識はある」としつつ、「いずれは良い舞台で戦えたら。刺激になると思います」と、将来的な対決を希望。
また、ルーキーに限らず、今後とくに対戦してみたい投手には、「ソフトバンク・千賀滉大投手」と回答。「クライマックスシリーズや日本シリーズを見ていて、ああいうピッチャーと対戦して成績を残さなければ、チームの優勝もないんだなと思った。戦ってみたいです」と、パ・リーグを代表するエースとの対戦にも闘志を燃やした。
いよいよ1月からは新人合同自主トレもスタートするが、とにかく「走攻守のすべてで自分をアピールしたい」と語る期待の逸材。
つづけて、「守備と走塁に調子の波はないと思うので、しっかりとチームに貢献できるように。あとはバッティングでもっともっと成長して、安定して成績を出せるように頑張りたい」と、力強く意気込んだ。
動画内で解説を務めるライターの西尾典文氏は、「もともと身体能力は抜群。打撃も良くなっているし、西武と言えば入団した後にバッティングが良くなる選手が多いので楽しみ」と語り、「うまくいけば早くからレギュラー争いも」と期待を寄せている。
ここ数年は良くも悪くも“固定メンバー”での戦いが目立った西武だけに、若林は外野のポジション争いに新たな風を吹き込む新星となるか…。プロでの活躍が今から楽しみだ。
文=尾崎直也