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攻守に成長を見せたロッテ・安田「すごくいい経験をさせてもらいました」

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ロッテ・安田尚憲

「すごくいい経験をさせてもらった」


 「いろいろ大変なこともありましたけど、すごくいい経験をさせてもらいました。4番を打たせてもらうことができて、本当に感謝しかないです」。

 昨季ファームで安打(116)、本塁打(19)、打点(82)でイースタンリーグトップの成績を残したロッテの安田尚憲は、プロ3年目の今季初めてシーズン通して一軍でプレーした。

 春季キャンプ前に安田は「レアードもいますし、井上晴哉さんもいますし、すごく高い壁」と理解したうえで、「簡単に(レギュラーが)獲れる世界ではないと思うので、まずは目の前の自分のできることをしっかりやっていきたいというのが、自分の今年の目標です」と、掲げていた。

 キャンプは一軍スタートを切り、その後の練習試合も一軍で過ごしてきたが、2月の練習試合の打撃成績は、打率.242(33打数8安打)、1本塁打、8打点。オープン戦が始まってからも、2月29日の楽天戦から3試合連続でスタメン出場も11打数0安打。途中出場した3月4日のオリックス戦で、1安打2打点も、そのほかの試合でインパクトの残る働きを見せることができなかった。

 3月には、阪神で通算2085安打を放ち、同じ内野手を主戦場にすると鳥谷敬が加入した。ポジションは違うとはいえ、一軍の枠を争うライバルが増えた。またこの時期、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定されていた3月20日のプロ野球の開幕が延期となった。

 開幕が6月19日に変更となったことで、再びアピールするチャンスが巡ってきた。6月2日に練習試合が始まったが、6月の一軍練習試合で打率.375(16打数6安打)、1本塁打、2打点とアピールし、開幕一軍を掴む。開幕してからしばらくは当たりが出なかったが、7月7日の西武戦で今季初本塁打を放つと、サード、ファースト、指名打者でのスタメン出場機会を増やし、7月21日の西武戦から10月30日の楽天戦にかけて4番に座った。

 ソフトバンクと優勝争いを演じていた10月3日の西武戦では、「外野フライを打てればいいと思って打席に入っていたので、それが最高の結果になった。勝負の決まる打席で結果が出てよかったなと思います」と値千金の決勝3ランを放てば、CS進出に向け絶対に負けられない11月5日のソフトバンク戦では左中間へ逆転の2点適時二塁打を放った。

 ソフトバンクとのクライマックスシリーズ第2戦では、『4番・サード』で出場し、チームは敗れたが初回の第1打席に東浜巨から2点適時二塁打を放つなど、3安打2打点と来季に繋がる形で2020年を終えた。

打撃フォームを変えすぎたことを反省


 安田といえば、昨年1年間下半身の使い方、頭の位置を動かさないことを継続して取り組み、プエルトリコのウインターリーグを終えた直後の今年1月の取材では「そのイメージが強いですね」と話していた。

 シーズンを終えて、改めて聞いてみると、「できているときもありましたし、できていないときもあったので、そこは来年継続していいスイングができたらなと思います」と明かした。

 ファームでプレーしていた昨季もそうだったが、今季もたびたび打撃フォームを変更していた。下半身の使い方をテーマにする一環で、打撃フォームを変更していたのだろうかーー。

 「う〜ん、そういうときもありましたけど、フォームを変えすぎたというのは、今年の反省点でもありました。これだというのをこのオフで見つけて、1年間通してそのフォームでやっていけたらと思います」。

 来年今季以上の成績を残すため、このオフは自身の打撃フォームの形を探っていく考えだ。

15→5


 守備面でも大きく成長を見せた1年だった。ファームでプレーしていた昨季はサードで119試合に出場し、15失策と守備に課題を抱えていた。

 なんとか課題の守備を克服しようと、昨年10月1日のロッテ浦和球場での練習後には、自ら志願して「足のリズムとか一歩目の反応、準備であったりを意識しました」と三塁のポジションで、小坂誠コーチが打つノックを約1時間近く受けたこともあった。

 一軍でプレーするようになった今季も、その姿勢は変わらなかった。ZOZOマリンスタジアムでの試合前練習では、鳥越裕介コーチからアドバイスをもらいながら、何本もノックを受けていた。

 特に今季、安田の守備を見ていて、三塁線の速い打球を逆シングルでキャッチし、一塁へ送球しアウトにする場面が増えた。7月19日の日本ハム戦、初回一死一、三塁の場面で中田翔の三塁線の速いゴロを逆シングルでキャッチし5-4-3のダブルプレーにした守備は見事だった。スローイングも安定し、この1年で守備はかなり上達したように見える。失策数も一軍と二軍で違うとはいえ、サードで97試合に出場して5失策。

 「キャンプから通して練習してきて、徐々にですけど、正面の打球であったり、取れる範囲の打球は取れるようになってきた」と手応えをつかんだ。その一方で、「まだまだな部分はたくさんありました。球際の部分であったり、弱いところもある。そういうところでも投手に迷惑をかけないようにやっていきたいと思います」と反省することを忘れなかった。

 2、3月の練習試合、オープン戦ではアピールが足りなかったように見えたが、6月の練習試合でしっかりと結果を残して開幕一軍を掴み、レアードが故障で離脱した後も、好不調の波がありながらもポジションを誰にも渡さなかった。

 「成績は全然ダメでしたし、本当に来年はレギュラーをとる気持ちでいかないと。今年のような成績では一軍に残ることができない。そういう気持ちをもってやっていきたいと思います」。今年の経験を活かすも殺すも安田次第である。4年目の来季、競争に勝ち“サード”のポジションを不動のモノにしたい。

取材・文=岩下雄太
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