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ロッテ、両リーグトップの96犠打 1試合3犠打以上は8勝0敗

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ロッテ・井口資仁監督

リーグトップの96犠打


 2007年以来13年ぶりとなる2位でクライマックスシリーズ進出を果たしたマリーンズ。打線はチーム打率、得点圏打率はリーグワーストの.235、.230、得点はリーグワースト2位の461、本塁打もリーグワースト2位タイの90本塁打と、昨季リーグ2位の642得点をマークした得点、そしてマリン移転後最多となる158本塁打を放った前年から大きく打撃成績を落とした。

 攻撃陣に課題は多かったが、犠打数は両リーグトップの「96」。今季はなかなか出塁ができないなかで、1本の安打で一塁走者が三塁に進むなど、先の塁を狙い“足”を使った攻撃とともに、バントを使った攻撃が多かった。

 今季初勝利を挙げた6月20日のソフトバンク戦がそうだった。1-1の8回先頭の藤岡裕大が四球で出塁すると、続く荻野貴司が初球をピッチャー前に転がし、藤岡を二塁へ進める。角中勝也の一ゴロで藤岡が三塁へ進塁すると、安田尚憲の四球後、レアードの打席中にワイルドピッチで藤岡が勝ち越しのホームを踏んだ。得点には繋がらなかったが、0-1の7回無死一塁で中村奨吾、3-2の9回無死一塁から藤岡がきっちりと初球でバントを決めている。

1試合3犠打以上の試合は8勝0敗


 6月20日のソフトバンク戦をはじめ、今季1試合に3犠打以上決めた試合は、8勝0敗と1度も負けなかった。

 1試合4犠打を決めた8月16日の日本ハム戦は、全て得点に繋がった。この日プロ初スタメン出場を果たした1番・和田が3打席安打を放ったが、いずれも二塁盗塁成功後に2番・中村が送りバントを決め、後続の打者がしっかりと和田をホームへ迎え入れた。5-5の8回には先頭の井上が四球を選ぶと、菅野剛士が初球で送り、二死後、田村龍弘が決勝の適時二塁打を放った。

 9月30日の日本ハム戦では、1-0の7回に、先頭の菅野が左中間へ二塁打を放つと、中村奨が初球で送りバントを決め、代走の二塁走者・和田を三塁へ進塁させる。続く藤岡は1ボールからヒッティングでファウルも、3球目にスクイズを敢行。スタートを切っていた三塁走者の和田は、捕手・清水がボールを握ったときにはすでにホームインするなど、藤岡のバント、和田の快速が生きた得点となった。

▼1試合3犠打以上の試合
【3犠打】
6月20日 ○3-2(vsソフトバンク)
8月25日 ○8-4(vs楽天)
9月6日 ○4-2(vsソフトバンク)
9月17日 ○8-1(vs西武)
9月25日 ○7-4(vsソフトバンク)
9月30日 ○2-1(vs日本ハム)

【4犠打】
8月16日 ○6-5(vs日本ハム)
11月7日 ○4-3(vsオリックス)

11月の犠打成功数が高い


 11月は月間11犠打を決めたが、バント失敗は11月8日の西武戦、3-2の6回無死一塁で、藤岡がバントを試みるも三飛に倒れたこの1度だけ。そのほかは、全て成功させている。

 1試合に4犠打を記録した11月7日のオリックス戦は、いずれもファーストストライクに犠打を決めた。0-1の4回、先頭の藤岡裕大が左安で出塁すると、続く田村龍弘がきっちりと初球で送る。安田尚憲は中飛に打ち取られるも、荻野が四球で一、二塁とし、藤原が逆転3ランを放った。

 追加点が欲しい5回も先頭の清田が四球を選ぶと、続く中村奨吾が初球を投手前に転がし、二塁へ進める。井上の右安、藤岡の四球で満塁とし、二死後、安田尚憲が押し出しの四球を選び追加点を挙げた。

 7回と8回は得点に結びつかなかったが、7回は藤岡が1ボールからの2球目を投犠打、8回は4回に逆転3ランを放った藤原が初球を三犠打と、ファーストストライクできっちりと送りバントを成功させ、攻撃のリズムを作った。

 7日のオリックス戦だけでなく、11月の11犠打はいずれもファーストストライクで決めた。藤岡は7日のオリックス戦1ボールからの2球目に犠打を決めたが、そのほかは全て初球バント成功だ。

▼ 11月の犠打成功数
1日vs楽天 8回無死一塁、角中が初球を投犠打
3日vsソフトバンク 初回無死一塁、角中が初球を捕犠打
3日vsソフトバンク 2回一死一塁、柿沼が初球を一犠打
4日vsソフトバンク 初回無死一塁、角中が初球を捕犠打
5日vsソフトバンク 8回無死一塁、中村奨が初球を投犠打
7日vsオリックス 4回無死一塁、田村が初球を投犠打
7日vsオリックス 5回無死一塁、中村奨が初球を投犠打
7日vsオリックス 7回無死一塁、藤岡が1ボールからの2球目を投犠打
7日vsオリックス 8回無死一塁、藤原が初球を三犠打
8日vs西武 6回一死一塁 田村が初球捕犠打
8日vs西武 7回無死一塁 藤岡が初球投犠打

試合前に入念にバント練習


 バント成功率の高さの背景に、入念にバント練習をしていたことが挙げられるのではないだろうかーー。

 昨季までは試合前の練習で、バントマシンでバント練習をする選手は少なかったが、今季は開幕からほとんどの選手がバントマシンでバント練習を行っていた。バントマシンでバント練習するだけでなく、荻野貴司、福田秀平、和田康士朗といった“足”の速い選手は、試合を想定してセーフティ気味に行うこともあった。

 チームトップの16犠打を決めた藤岡は、今季投手前のバントが多かったが、試合前のバント練習を見ていると三塁側に転がしていることが多い。現在は考え方が変わっているかもしれないが、1年目当時の藤岡は「まずは打球を殺してという意識です」という心構えを持って取り組んでいた。

 チーム2位タイの15犠打の柿沼は、バントマシン相手に一塁側、三塁側に丁寧に転がしているところを多く見た。夏場以降はセーフティバント、シーズン最終盤にはスクイズを想定してだろうか、バントマシンではあるが体を投げ出してバント練習する姿もあった。

 今季は得点を奪うためのひとつの手段として、バントを多用していたように見える。得点圏に走者を進めた後の打撃に課題が残るだけに、来季は1点でも多く得点に繋げたいところだ。

文=岩下雄太
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