趣向を凝らしたコンテンツで“おもてなし”
DeNAは6日、『ファンフェスティバル 2020』を4年ぶりに横浜スタジアムで開催し、1万4669人の観衆が1日限りの感謝祭を楽しんだ。
今年は3チームに分かれて得点を競い合う「バトル☆ベイスターズ」を中心に進行。画力を競う「ハマの画伯王決定戦」では、チームメイトの似顔絵を披露する際に、櫻井周斗投手に宇宙人の絵を書かれ、パターゴルフでは乙坂智の前で打つ反則を受けて低得点に終わるなど、井納翔一がFAの渦中にいるとは思えない“弄られっぷり”を披露し、会場の爆笑を誘っていた。
クイズでは、“ハマのモノマネ王”上茶谷大河が、新作「追い込まれて下を崩されてもヒットを打つ梶谷」を披露。ディテールにこだわり過ぎる姿は、もはや芸人の域に達していた。
パフォーマンスを音楽で競い合うコーナーでは、ひょっこりはんで一躍名を馳せた“ファンフェス男”の齋藤俊介が、ヒット曲『香水』の後ろで踊る女性役になりきり、山本祐大もナゾのキャラで湘南乃風を歌い上げるなど、ちょっとしたカオス状態に。そんな中でゴールデンルーキーの森敬斗は『NiziU(ニジュー)』ならぬ『ビジュー』を結成し、可愛い縄跳びダンスで会場を沸かせた。
私服を競うコーディネートコーナーは、“本命”神里和毅にルーキー坂本裕哉が勝利する番狂わせ!?も。最終結果は今永昇太率いる白組が勝利し、熱戦?に終止符を打った。
来季のリベンジを誓った今永と山﨑
優勝した白組の今永昇太は「本当はファンのためなのに、選手が楽しんでいた。シンプルに楽しかった」と振り返り、来季に向けては「必ず復活できる」と力を込めた。また、星組を率いた山﨑康晃も苦しいシーズンを過ごしたが、「シーズンインしたら100%の状態で勝ち続ける」と逆襲を誓った。
キャプテンの佐野恵太は「周りに支えられて野球に集中できた」とブレイクした今シーズンを振り返り、最後にサプライズで登場した三浦大輔新監督が「来シーズンも引き続き(佐野に)キャプテンをやってもらう」ことを宣言。巨大なクラッカーが鳴らされ、閉幕となった。
コロナ禍のファンフェスティバルは席の移動も禁止。球団は「ファンと選手が触れ合えない中、どうやって楽しめる企画にするか」ということに頭を悩ませ、球場に来られないファン向けに「オンラインイベントも同時に行う」など、趣向を凝らした。当日来場したファンや、用事で見られなかったファンに対して、一定期間であればオンラインイベントも視聴可能となっている。
寒空の中でも最後まで残っていた大勢のファンの笑顔が、成功を物語っていた。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)