ニュース 2020.12.10. 18:09

「強力打線の一員に」…西武ドラ1・渡部健人が笑顔の内に秘める闘志

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辻監督とともにポーズをとる渡部健人 [写真提供=埼玉西武ライオンズ]

“山賊打線”の新星候補


 西武は8日、『新入団選手記者発表会』を開催。来季からチームに加わる12名の選手たちのユニフォーム姿がお披露目された。


 何と言っても注目は、ドラフト1位で指名された渡部健人(桐蔭横浜大)。176センチ・112キロの体格を誇る右の大砲候補で、チームの顔である強力打線の新たなピースとして大きな期待がかかっている。

 ベースボールキングでは、YouTubeチャンネルの方で毎週金曜日に配信しているアマチュア野球企画『みんなのドラフト』にて、渡部健人選手の単独取材に成功。ドラフト当日の心境や西武の印象、今後の意気込みについて語っていただいた。


「ビックリしすぎて頭が真っ白に…」


 今年は10月26日に行われたプロ野球のドラフト会議。当日は「ちゃんと選ばれるかな…」という不安もあったという渡部だが、「リーグ戦はやり切ることができて、悔いなく終わることができたので、楽しみな面もありました」と振り返る。

 すると、第一巡入札が終わって迎えた再入札、いわゆる“ハズレ1位”で西武が指名。順位については、「まさか1位で呼ばれるとは思わなかったので、ビックリしすぎて頭が真っ白になりました」と、正直な心境を語ってくれた。


 新天地になる西武のイメージに関しては、「打線が良いチーム」と即答。なかでも、「中村(剛也)選手や山川(穂高)選手といった似ている体形の選手がいて、打線を支えている。自分もそんな強力打線の一員になれたら」と、ファンの期待もしっかりと理解している。

 また、参考にしている選手という部分でも「中村剛也」の名前を挙げ、「力感のないフォームですよね。そこまで強く振っていないように見えて、遠くまで飛ばすことが出来る」と、意識しているポイントを説明。

 また、リーグ戦で5試合連続本塁打を記録するなど、最終学年での飛躍については、「何も考えず、シンプルに来たボールを打ち返すことを意識したことが良かった」とコメント。

 加えて、技術面においても、「力感のないスイングというイメージはそのままに、フォームで言うと日本ハムの大田泰示選手のようなイメージで、左足の使い方を少し変えました。軸がブレないように、その場で回れるように意識しています」と新たな取り組みについても説明。心技体が噛み合っての大暴れだったと振り返った。


対戦してみたい投手は“同級生”の…


 自身のアピールポイントについては、やはり「長打力」を挙げ、現時点で考える課題については、「変化球への対応力」と分析。「プロの投手、一軍の投手はやはり質が違うと思うので、そこにも対応できるようになりたい」と語る。

 これまで対戦した投手の中で印象に残っているのは、大学2年時に侍ジャパンの合宿で一緒になった「甲斐野央(現・ソフトバンク)」。「めちゃめちゃ速かったです」と振り返り、プロの舞台での再戦に闘志を燃やす。

 また、対戦してみたい投手は「山本由伸(オリックス)」。同世代で先にプロの世界に入り、今やチームのエースとして君臨する剛腕を指名した。


 最後に、目標として「開幕一軍」を掲げ、「1日でも早く、チームを勝たせられる存在になりたい」と意気込み。1月からはじまる自主トレに向けても、「ここで遅れるわけにはいかないので、しっかりと準備をして臨みたい」と、気を引き締めている。

 『みんなのドラフト』に解説として出演しているスポーツライターの西尾典文氏も、「春のキャンプ、フリー打撃から一気に注目を集めるでしょうね」と、その“飛ばす力”について太鼓判。「本人も言ってましたが、変化球の対応など、プロに入ってすぐは実戦で苦労する場面もあるかもしれないですが、ガマンして使いたいと思わせる魅力のある選手。“開幕一軍”と言っていましたが、1年目から楽しみにしたいですね」と語る。


 新入団発表では、自身のキャラクターについて「体型の通り丸いです」と笑顔を見せながら、「周りからは“おかわり三世”と呼ばれるんですが、自分的には“よくばり一世”になりたいなと思います」という力強い宣言も。

 笑顔の内に秘めた闘志を燃やし、1年目から強力打線の一角を狙う。


文=尾崎直也

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