ドラ3伊勢は防御率1.80&奪三振率10.13
今季は56勝58敗6分けの4位に終わり、5年間指揮してきたアレックス・ラミレス監督が退任したDeNA。来季は現役時代からチームの顔として親しまれてきた三浦大輔新監督の下、再スタートを切る。今回は若手選手にフォーカスし、2020年のDeNAを改めて振り返ってみたい。
コロナ禍の今季は故障や不調による離脱者が多く、不安定な戦いが続いたDeNA。そんな中、先発ローテーションに入り白星を量産したのが、社会人出の2年目・大貫晋一だった。開幕ローテーションこそ外れたものの、初勝利を挙げた7月14日の中日戦(ナゴヤD)から怒涛の6連勝をマーク。後半戦は先発陣の柱となり10勝6敗、防御率2.53の好成績で自身初の2ケタ勝利を達成した。
2017年に巨人へFA移籍した山口俊(現・ブルージェイズ)の人的補償として加入した高卒7年目の平良拳太郎も飛躍。こちらは故障により一時離脱したものの、チーム4位の14試合に先発。援護に恵まれない登板が続き4勝6敗と黒星先行だったが、防御率は2.27と安定した投球を続けた。
一方で「左腕王国誕生か?」と期待を抱かせたサウスポーたちは、左肘の靱帯損傷が判明した大卒3年目の東克樹が、2月の春季キャンプ中にトミー・ジョン手術を受けシーズン全休。開幕投手を務めた大卒5年目の今永昇太も左肩を痛めた影響で8月15日以降は登板機会がなく、5勝3敗、防御率3.23でシーズンを終えた。大卒4年目の濵口遥大は10月までローテーションを守っていたが、終盤に息切れし6勝5敗、防御率4.60の成績。ドラフト2位の坂本裕哉もケガによる長期離脱を強いられ、ルーキーイヤーは4勝1敗、防御率5.67の成績に終わった。
坂本と同じく大卒新人の伊勢大夢は、主に中継ぎ33試合に登板し防御率1.80をマーク。サイド気味のフォームから力強い真っ直ぐを小気味よく投げ込み、10.03という高い奪三振率を記録した。
梶谷退団も“第2の佐野”と呼ばれるような若手出現に期待
野手では何と言っても大卒4年目・佐野恵太の覚醒だろう。昨季も代打の切り札として非凡な打撃センスを見せてはいたが、筒香嘉智がメジャーへ旅立った今季は主将と4番の大役を同時に託され、打率.328、20本塁打、69打点をマーク。首位打者のタイトルも獲得しチームを代表する打者へと成長を遂げた。
大卒5年目の柴田竜拓はチーム3位の110試合に出場し、キャリアハイとなる打率.266、出塁率.356を記録。着実に打撃面の成長が見えるだけに、三浦新体制となる来季は攻守両面でキーマンになりたいところだ。社会人出3年目の神里和毅は外野のレギュラーが固まった中で80試合に出場し、打率.308、出塁率.370をマーク。来季はFA権を行使し退団した梶谷隆幸の穴埋め役とした期待したい。
右の長距離砲として期待される大卒2年目の伊藤裕季也は5試合の出場にとどまり、高卒4年目の細川成也は19試合の出場で打率.235。ドラフト6位で加入した大卒の蝦名達夫らも含め、“第2の佐野”と言われるような飛躍を待ちたい。
今オフ、井納翔一と梶谷が揃ってFA権を行使し退団したが、穴埋め役として期待できそうな若手は多い。特に先発陣は、上述した大貫、平良、今永、濵口、坂本に加え、上茶谷大河、京山将弥、阪口皓亮、そして手術からの復帰が見えてた東に今秋のドラフトで1位で獲得した入江大生ら、若手だけでローテが組そうな陣容だ。ただし、期待のローテ投手が開幕に揃わないのが近年のDeNA。来季はコンディションを整え、万全の状態で三浦新体制の船出を迎えたいところだ。