1年間一軍でプレー
ロッテのドラフト2位ルーキー・佐藤都志也は、開幕から一度もファームに降格することなく、シーズン通して一軍でプレーした。
昨年12月9日に行われた新入団会見で「打てるキャッチャーとして、期待に応えられるように頑張りたい」と意気込んでいたが、“バット”での貢献度はかなり高かった。
6月27日のオリックス戦、1-1の延長10回二死一、二塁の場面で代打で登場し、澤田圭佑が投じた初球のチェンジアップをライト前に弾き返すサヨナラタイムリー。これが佐藤にとって嬉しいプロ初安打となった。
代打でプロ初安打を放ったように、シーズン通して代打で結果を残し続けた。8月22日のソフトバンク戦では、0-2の7回二死二、三塁の場面で登場し、一時同点となる2点適時打。井口資仁監督は試合後に「いい集中力をもってバッティングができているし、結果を出してくれた」と評価した。
代打での33試合出場、9安打、5打点はチームトップ。代打の起用回数が多かったが、打率も3割(.310)を超えた。“1打席”で結果を残すという難しい役割も、ルーキーでありながらしっかりと対応して見せた。
スタメンマスクでも打つ
スタメンで出場は指名打者で16試合、捕手で4試合、合計20試合あったが、指名打者で出場した日の打率は.158(57-9)、1本塁打、4打点に対し、スタメンマスクを被った試合は打率.636(11-7)、1本塁打、3打点と打った。ちなみにファームでも6試合で捕手で先発出場し、打率.273(11-3)、1本塁打、3打点だった。
捕手でスタメン出場した日は4試合と少なかったが、全ての試合で安打を放ち、そのうち3試合はマルチ安打。9月3日の西武戦では、2回にプロ初本塁打となる第1号先制ソロを放つと、5-2の5回一死一、二塁の場面で、レフトへ2点適時二塁打を放った。
この1年見てもわかるように、佐藤の打撃というのはかなり魅力。捕手としての経験値、出場機会を増やすためにも、守備面での技術向上、他球団の打者の傾向をもっと知っていく必要があるだろう。今季はZOZOマリンスタジアムでの全体練習では、打撃練習、捕手練習が終わったあとには、清水コーチとブロッキング、スローイングの練習をマンツーマンで行う姿があった。リード面では、1年間一軍のベンチで過ごして、感じたものを来季以降活かして欲しいところ。
球界を見渡しても“打てる捕手”はとても貴重な存在。2年目の来季は“打つ”だけでなく、“打てる捕手”としての活躍に期待したい。
文=岩下雄太