12球団屈指の右打者として
“ハマのプーさん”ことDeNAの宮﨑敏郎選手(32)が18日、契約更改交渉に臨み、今季の年俸(推定1億6000万円)と「同じくらい」で更改した。
一昨年はまさかの打撃不振に始まり、骨折もあって約1カ月の離脱。打率.284はチームトップながらも、3割に届かなかった。今季はコロナ禍で「いつ開幕できるのか分からない中、自分をコントロールしなければならない、難しいシーズンだった」と苦心しながら、「出だしから自分のスイングがしっかりとできた」ことで打率.301の好成績を残した。右打者では、鈴木誠也の「.300」を抑えて12球団トップの打率をマークした。
球団からは「やってもらわないと困る。中心選手として来シーズンも頑張って欲しい」との言葉をかけられ、「期待してもらうのはありがたい。より一層頑張らないと。もっとチームに貢献したいという思いが強くなった。全てにおいてもっと貢献しないといけない」と気を引き締め、「キャリアハイを目指して頑張っていきたい」とコメント。2017年の打率.323、2018年のホームラン28本、同71打点超えを目標に掲げた。
オフは昨年同様、ソフトバンク・松田宣浩らの自主トレに同行する。その中で「もう1回下半身を強化したい。シーズン中に下半身の疲れが抜けず、打つときの粘りや、思うようにいかなかったこともあった。弱ってるなと感じたので土台作りをしたい」とのこと。「走ったり、瞬発系だったり、下半身中心にいいトレーニングをさせてもらいたい」と、明確な意図をもって臨む。
気になるFAは白紙
また、順調に行けば来シーズン中に権利を取得するFAについては、「何も考えていない」と白紙を強調。それよりも、「しっかりと来シーズン頑張ろうという気持ちが強い。苦しい戦いが続いているので、来シーズンはチーム一丸となって自分たちが目指している所に辿り着けるように」と、悲願達成に思いを馳せた。
同い年の梶谷隆幸がチームを去ったことで、生え抜きではチーム最年長になる宮﨑。「あまり言う方でもないので」としながらも、「若い選手が多いので、いいバランス(を取るため)の一部になれるように」と語るヒットメーカーは、来シーズンも打線の中心、不動のサードとして躍動してくれることだろう。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)