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GG賞受賞者なしも…2年連続で失策数リーグ最少のロッテ

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9月4日のソフトバンク戦で上林のバントを体を張ってキャッチする田村龍弘(C) Kyodo News

二遊間の好守備


 『第49回 三井ゴールデン・グラブ賞』の受賞者が18日に発表され、チーム失策数がリーグ最少の「53」だったロッテから選出される選手が表れなかった。ちなみにロッテは昨季もリーグ最少の「67」失策だったが、受賞者は外野手部門の荻野貴司のみだった。

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 2年連続でリーグ最少の失策数を誇りながら、この2年でゴールデン・グラブ賞を受賞した選手が荻野のみというのは寂しい限りだが、今季もチームの勝利のために素晴らしいプレーを披露し続けた野手陣の守備を振り返っていきたい。

 セカンド・中村奨吾、ショート・藤岡裕大の“二遊間コンビ”は、数多くの好守備でチームを救った。

 中村奨は7月30日の楽天戦、3-2の6回無死満塁、島内が放ったセンターへ抜けそうな打球をダイビングキャッチ。三塁走者の生還を許したが、二塁フォースアウトで大量失点を防ぐ。8月18日のソフトバンク戦では、3-1の7回一死走者なしから中村晃が放った強い打球を横っ飛びでキャッチし、一塁へ送球しアウトにした。

 8月23日のソフトバンク戦では、0-0の2回二死二、三塁から川瀬が放ったセカンドベースよりのセカンドゴロを逆シングルでキャッチし一塁へ送球。一度はセーフと判定されるも、リクエストでアウトに覆るということもあった。さらに、10月20日の西武戦では、メヒアが放ったセカンド後方への飛球を背走。めいっぱい左手を伸ばしジャンピングキャッチするビッグプレーを見せた。途中交代はあったものの、セ・パあわせて12球団で120試合全てセカンドの守備に就いたのは、中村奨吾のみというのは立派だ。

 藤岡は昨季までは抜けていたような打球を処理し、しっかりとアウトにする場面が増えたようにも見える。7月4日の楽天戦では、初回に浅村栄斗が放った三遊間寄りショートゴロを逆シングルでキャッチし、素早く二塁へ送球しアウト。9月18日の日本ハム戦でも、2回に大田泰示が放った三遊間寄りの打球を二塁でアウトにするなど、今季はこういった守備が多かった印象を受ける。

 そして、藤岡の守備での魅力のひとつが“肩”。かつての取材で藤岡本人も「人より自信はあります。肩の強さが売り」と話すほどだ。その“強肩”をいかした守備も紹介していきたい。7月4日の楽天戦の4回、銀次のセカンドベース付近に放った当たりを飛び込んでキャッチし一塁へ送球しアウトにした。8月18日のソフトバンク戦でも、中村晃が三遊間に放ったショートへのゴロを藤岡が逆シングルでキャッチし、そのまま一塁へノーバウンドスロー。体が三塁方向に流れる難しい体勢のなか、一塁へノーバウンドスローでアウトにしたこのプレーは、まさに“強肩・藤岡”ならではの守備だった。

安田も好守備


 三塁の安田尚憲は、ファームでプレーしていた昨季はサードで119試合に出場し、15失策と守備に課題を抱えていたが、一軍でプレーした今季失策数も一軍と二軍で違うとはいえ、サードで97試合に出場して5失策と、守備力を大きく向上させた。ZOZOマリンスタジアムでの試合前練習では、鳥越裕介コーチからアドバイスをもらいながら、何本もノックを受けていた。

 特に今季、安田の守備を見ていて、三塁線の速い打球を逆シングルでキャッチし、一塁へ送球しアウトにすることが増えた。7月19日の日本ハム戦、初回一死一、三塁の場面で中田翔の三塁線の速いゴロを逆シングルでキャッチし5-4-3のダブルプレーにした守備は見事だった。スローイングも安定し、この1年で守備はかなり上達したように見える。

 「キャンプから通して練習してきて、徐々にですけど、正面の打球であったり、取れる範囲の打球は取れるようになってきた」と手応えをつかんだ。その一方で、「まだまだな部分はたくさんありました。球際の部分であったり、弱いところもある。そういうところでも投手に迷惑をかけないようにやっていきたいと思います」と反省することを忘れなかった。

一塁・井上はわずかに届かず


 一塁の井上晴哉は、77票をあつめた中村晃(ソフトバンク)、中田翔(日本ハム)という同学年の2人にわずか2票届かず、ゴールデン・グラブ賞とはならなかった。

 それでも、6月24日のオリックス戦の3回、吉田正尚の高く弾んだ一塁への打球をファーストミットで捕球し、ベースカバーに入った投手・小島和哉にグラブトスで一塁へアウトにするなど、開幕直後は好守備を連発。また、何度も難しい送球を捕球していたのも、失策数の少なさの要因のひとつだったのではないだろうかーー。

 捕手陣もスーパープレー


 正捕手の田村龍弘も、9月4日のソフトバンク戦、4-2の8回無死一、二塁で上林のバントをダイビングキャッチでキャッチし、素早く二塁へ送球しダブルプレーを完成させた。バントを決められていれば、1本の安打で同点に追いつかれる状況だっただけに、今振り返ってもこの守備は非常に大きかった。

 シーズン終盤はサヨナラ負けに繋がるミスはあったものの、11月1日の楽天戦、三塁ベンチ前に飛んだ打球をフェンスを怖れずキャッチし、その必死なプレーにファンからも拍手が飛んだ。

 また、ゴールデン・グラブ賞の有資格者ではないが、柿沼友哉も7月22日の西武戦、山川穂高が放ったキャッチャーフライを三塁ベンチ前でスライディングキャッチを見せ、11月3日のソフトバンク戦では盗塁王・周東佑京の二塁盗塁を完璧なスローイングで刺した。

外野陣も好守備連発


 外野陣も菅野剛士が7月22日の西武戦、2回一死一塁からスパンジェンバーグのレフトへのフライをダイビングキャッチするなど、外野で60試合、一塁で12試合に出場し、外野、一塁ともに無失策だった。

 ゴールデン・グラブ賞の有資格者ではないが、加藤翔平はセンターの守備で9月1日の西武戦、栗山が放った左中間のフェンス際の飛球をフェンスにぶつかりながら捕球すれば、福田秀平は10月3日の西武戦、源田が放ったレフトファウル側のあたりをダイビングキャッチ。福田秀はセンターでも10月13日の楽天戦、初回に先頭・小深田の左中間に放ったあたりをダイビングキャッチした。代走で存在感を示した和田康士朗は守備でも8月29日のオリックス戦、福田が放った右中間の打球を好捕。シーズン最終盤に一軍昇格を果たしレギュラーとして出場した藤原恭大も、11月7日のオリックス戦で、若月が放ったセンターフェンス後方の打球をセンターフェンスギリギリのところで捕球した。

 ロッテの外野手は、スーパープレーばかりでなく、“頭脳的”なプレーも見せた。7月19日の日本ハム戦、中島卓也の右中間へ放った打球を左中間よりに守っていたセンター・荻野が体勢の悪い状態で捕球したため、ライトのマーティンにボールを渡し二塁へ送球してもらう。荻野がスローイングしていれば三塁打の可能性があった打球を、2人の連携で二塁打に止めた。

 さらに10月4日の西武戦では、6-1の7回一死走者なし栗山が放ったライト線の打球をライト・マーティンが処理。二塁を狙おうか悩んでいる栗山を見て、一塁へ送球し、二塁進塁を誘う。一塁・井上がマーティンの送球を受けて、すぐさま二塁へ送球しタッチアウトということもあった。

 ここでは好守備、さらにはゴールデン・グラブ賞有資格者以外の選手を紹介したが、もちろん来季へ向けて改善しなければいけない守備もある。ただ2年連続でリーグ最少の失策数を誇ったのは事実。たまたまゴールデン・グラブ賞を受賞した選手はいなかったが、ファンを熱くする守備を何度も披露したマリーンズ選手に拍手を送りたい。

▼ ゴールデン・グラブ賞有資格者
<投手>
石川 歩
美馬 学
益田直也
小野 郁
※投球回数120以上
※試合数40以上

<捕手>
田村龍弘

<一塁手>
井上晴哉

<二塁手>
中村奨吾

<三塁手>
安田尚憲

<遊撃手>
藤岡裕大

<外野手>
マーティン
菅野剛士

※試合数60以上


文=岩下雄太
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