今シーズンからプロ野球セントラル・リーグ公式戦初のタイトルパートナー(特別協賛社)となったエネルギー事業会社「JERA(ジェラ)」。
2020年のプロ野球は、新型コロナウイルスの影響により、3カ月遅れての開幕となり「無観客」でのスタート、さらにセ・リーグでは「クライマックスシリーズ」も中止となるなど、さまざまな面から“異例のシーズン”となった。
タイトルパートナーとして異例づくしの今シーズンを終えたJERAの福田將吾広報室長に話を聞いた。
(取材・文=ベースボールキング編集部)
◆ 野球と電力事業の高い親和性
―― 改めて、タイトルパートナー(特別協賛社)となったきっかけを教えてください。
JERAは2015年に設立された新しい会社で、2019年4月に東京電力と中部電力の火力発電所などの資産が統合され本格的に事業を開始しました。現在では日本の約3割の電気を発電しています。当社はかねてから、日本のスポーツや文化の支援をしたいと考えており、そうしたなかで2019年の夏ごろにセ・リーグタイトルパートナーのお話をいただきました。国民的スポーツとして日本国民の皆さまから広く愛される野球と、発電した電気は広く皆さまがお使いになるというJERAの事業内容の親和性から、協賛することを決めました。
―― 他にもスポーツがある中で野球(セ・リーグ)を選んだ理由は?
JERAは国内では関東・中部地方を中心に事業を展開しているので、例えば在京の特定球団を応援しようとすると、「中部地方の球団は応援しなくてもいいのか」、逆も然りですが、そうしたバランスを考慮する必要が出てきてしまいます。その一方で、関東・中部地方に4球団が本拠地を持つセ・リーグを包括して応援することは、野球全体を応援することにつながり、当社事業の公益性という側面とも高い親和性があると考えました。
―― 福田広報室長は以前、日本野球機構(NPB)で仕事をされていたとお聞きしました。
はい。新卒から東京電力に就職し、2015年にNPBへ転職しました。NPBでは日本シリーズやオールスターゲーム、そして日本代表(侍ジャパン)の広報業務などに携わり、2019年4月から再び電力業界であるJERAで勤務していたのですが、こうした形で再びプロ野球界の仕事に携わることになり、協賛が決定した際は「不思議なご縁もあるものだなぁ」と驚きました。
◆ セ・リーグを通じてJERAを知ってもらう
―― 小野田聡社長はタイトルパートナーの発表時に「これを契機に、会社の知名度を引き上げていきたい」とおっしゃっていましたが、協賛1年目を終えて効果はどのように評価していますか?
JERAセ・リーグ公式戦初年度となる今シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕の延期や、それに伴う過密日程、入場制限やその緩和への対応など、監督・コーチ・選手のみならず、球団スタッフおよび球場運営に関係するすべての皆さまのご苦労は大変なものがあったと思います。当社としては、予定していたイベントなどが中止を余儀なくされるなど、想定外のこともありましたが、そうした中で、無事に協賛1年目のシーズンを終えることができ、まずは関係する全ての皆さまに対して心からの敬意と感謝の気持ちを表したいと思います。
―― 社員の方々がセ・リーグのタイトルパートナーであるという認識は進んでいますか? また、今回の取り組みが社員にもたらした効果はありましたか?
新型コロナウイルスの感染拡大はあっという間に世界中に広まり、我々の生活様式も変えてしまいました。身近な例としては、リモート会議が急速に普及し、当社も社内外の方との会議の大部分をリモートで対応しています。リモート会議に慣れていくにつれて、顔が映る画面の背景画像を設定できることを知りました。そこで、セ・リーグタイトルパートナー用の背景画像を用意し、「ご自由に活用ください!」と社内へ展開したところ、多くの皆さんが背景画像に使用くださり、社内外にJERAがタイトルパートナーであることを宣伝してくれています。また、各球団から貴重なグッズをいただくことがあり、全社員に向けて「プレゼントキャンペーン」として周知したところ、毎回の抽選倍率が数百倍以上と、とても人気のあるコンテンツとなりました。
―― 最後にタイトルパートナーとしての今後の計画、取り組みたい事について教えて下さい。
まずは、来シーズン以降も安全にプロ野球が運営されることをお祈りいたしております。タイトルパートナーの立場としては、JERAがセ・リーグを応援していることをもっと知っていただきたいです。それを通して、日本最大の発電事業者であるJERAが、2050年にCO2排出量ゼロを目指しているなど、事業内容を少しでも知っていただければなと思っています。そのためにも、JERAのホームページに1人でも多くの方に来ていただけるようなセ・リーグの企画を絶賛検討中です。