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3年連続で全試合出場を果たしたロッテ・中村奨吾

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ロッテ・中村奨吾

頭部死球も関係なし


 ロッテの中村奨吾は今季も1試合も休むことなく、3年連続で全試合出場を果たした。

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 打率.249、8本塁打、49打点、6盗塁、出塁率.341。

 中村奨が持っている能力、レギュラーに定着した18年から経験を積んでいるという部分を踏まえれば、この数字は物足りないかもしれない。ただ、主力選手が故障による離脱、不振でベンチスタートということがあるなか、穴を開けることなく試合に出場し続けたことをもっと評価されるべきではないだろうかーー。

 今季は開幕前の6月13日の西武との練習試合で左側頭部に直撃する死球を受けると、開幕してからも6月21日のソフトバンク戦でバントを試みるも、頭部に死球を受け途中交代ということもあった。

 球団の発表では6月23日の試合は、当日の様子を見て決めるとのことだったが、同日のオリックス戦に『6番・セカンド』で元気に先発出場。3-4の6回二死走者なしの場面で、「クーリッシュに当たりましたね。ホームランを打った時はなるべく当たってくれたらファンの皆さんにもたくさんアイスを届けられますね」と無観客試合においてマリンのレフトスタンドに設置されていた「ホームランターゲット」に当たる“ターゲット弾”を放った。さらに6月25日のオリックス戦では、第2号満塁本塁打を放つなど、頭部死球の不安をかき消すような打撃を披露した。


2番で良い働き


 7月28日の楽天戦で今季初めて2番でスタメン出場すると、8月は2番で良い味を出した。

 8月16日の日本ハム戦では1番・和田康士朗がプロ初安打を含む猛打賞、3盗塁、3得点、3番・マーティンと4番・安田が1打点、5番・井上が3打点の活躍が目立ったが、中村奨はイニングの先頭で和田が出塁し盗塁を決めた打席、いずれもきっちりとバントを決めた。

 同月18日のソフトバンク戦では、3番・マーティンが1打点、4番・安田尚憲が3打点、5番・井上晴哉が1打点と、クリーンナップが打点を挙げたが、2番・中村奨の働きが素晴らしかった。

 0-0の初回一死走者なしで迎えた第1打席、ソフトバンクの先発・千賀滉大が投じた外角のストレートを逆らわずに右中間を破る二塁打で出塁。マーティンの一ゴロで三塁へ進むと、安田のレフト前ヒットで先制のホームを踏んだ。

 2-1の3回の第2打席は四球を選ぶと、マーティンの右中間を深々と破る安打で一塁から一気に俊足を飛ばしホームイン。3-1の7回一死走者なしの第4打席は、2ボールから千賀のストレートをセンター前へはじき返し出塁するとマーティンの二塁打で三塁へ進み、安田尚憲のレフトへの二塁打でホームに還ってきた。

 8月22日の楽天戦では無安打も3四球を選び、6打席で「47球」を投げさせたこともあった。8月は月間リーグ2位のチーム123得点を挙げたが、先頭打者が塁に出ればきっちりと送り、ランナーがいなければ安打や四球で出塁しクリーンナップへ繋げた「2番・中村」の活躍は非常に大きかった。


9月以降は…


 8月は“2番”で輝きを放ち、9月に入ってからも4日から6日かけてのソフトバンクとの“首位攻防3連戦”、4日の試合で7回に勝ち越しの2点適時打を放てば、5日の試合でも2回に先制のソロ、7回に逆転の2点適時二塁打を放つ“勝負強さ”を見せた。

 良い場面で打つこともあったが、9月以降は58試合に出場して、打率.211、3本塁打、23打点、出塁率.299。チーム状況があまりよくなかった10月は、月間打率.209に終わるなど、課題は残った。

守備でも投手を助ける


 守備面では、投手陣を何度も助けた。7月30日の楽天戦、3-2の6回無死満塁、島内が放ったセンターへ抜けそうな打球をダイビングキャッチ。三塁走者の生還を許したが、二塁フォースアウトで大量失点を防ぐ。8月18日のソフトバンク戦では、3-1の7回一死走者なしから中村晃が放った強い打球を横っ飛びでキャッチし、一塁へ送球しアウトにした。

 さらに、10月20日の西武戦では、メヒアが放ったセカンド後方への飛球を背走。めいっぱい左手を伸ばしジャンピングキャッチするビッグプレーを見せた。

 途中交代はあったものの、セ・パあわせて12球団で120試合全てセカンドの守備に就いたのは、中村奨吾のみだった。


先の塁を狙う姿勢


 走塁でも、先の塁を狙う積極的な走塁が目立った。

 6月26日のオリックス戦でタイムリーを放つと、センターがホームに送球するのを見て、打者走者の中村は二塁へ進めば、8月2日の楽天戦では、1-3の6回一死一塁からマーティンのセンター前へ抜けるヒットで一塁走者の中村が外野の守備位置が深いと見て三塁へ進塁し、井上の犠飛で生還。

 8月21日のソフトバンク戦は、3回にレフト前への安打だったが、レフト・グラシアルに守備のミスなどがあれば、二塁を狙うぞという姿勢を見せた。4回一死満塁からマーティンのレフトへの犠飛で、レフト・グラシアルがフェンス側でキャッチしたのをみて二塁走者・和田、一塁走者・中村がともに進塁。7回には安田のレフト前にポトリと落ちる安打で一塁走者の中村は一気に三塁を陥れた。

 盗塁数は18年の39盗塁から19年が12盗塁、20年が6盗塁と減少しているが、今季は相手の守備位置、動きを見て次の塁を狙う走塁のうまさが光った。

 井口監督が就任してから1度も一軍登録抹消されることなく、3年間一軍でプレーし続けている野手は中村のみ。この3年で42個の死球を受け、頭部に死球を食らうこともあったなか、試合に出続けている。その中で、打撃の確実性をあげ、打率があがってくれば、チームは優勝へ近づき、中村も選手としての評価も上がることだろう。

文=岩下雄太
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