打率.216、5本塁打、19打点、3盗塁、出塁率.276。
ソフトバンクからFA宣言してロッテに加入した福田秀平は、レギュラーとして期待を受けて入団したが、数字だけを並べて見ると悔しい1年となった。
良い活躍をした直後に故障で離脱し、非常にもったいなかったという印象が強い。今季最初のオープン戦となった2月29日の楽天戦(ZOZOマリン)、『1番・センター』で先発出場し、「オープン戦の初戦だったし、自分のなかでももっとオープン戦がはじまるぞという気持ちで挑みました」と左の松井裕樹から先頭打者本塁打。続く第2打席は右中間を破る二塁打と、ホークス時代の昨季.135(37-5)と苦手にしていた“左投手”からマルチ安打を放った。
オープンでは9試合に出場して、打率.375(24-9)、2本塁打、4打点、3盗塁と開幕に向けてアピールしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりプロ野球の開幕が延期。6月19日にプロ野球の開幕が変更となり、6月の練習試合でも4日の日本ハム戦で「逆方向に良いバッティングが出来たんじゃないかと思います」と本塁打を放てば、12日の西武戦では1本塁打を含む4安打を放った。6月の練習試合も、打率.400(30-12)、2本塁打、4打点と結果を残した。16日の巨人との練習試合で受けた死球を受け、開幕一軍が心配されたが一軍登録され、新天地での初の開幕を迎えた。
6月19日の開幕戦の相手は、昨季まで所属していたソフトバンク。『1番・センター』でスタメン出場したが、4打数0安打3三振のほろ苦いデビューとなった。翌19日に『右肩甲骨の亀裂骨折』と診断を受け、一軍登録を抹消された。
7月23日に一軍復帰を果たしたが、ヒットは1本出るものの、なかなか複数安打を打てず、低めの変化球に手を出し空振り三振するという場面が多かった。8月2日の楽天戦後には打率.122まで下がったが、8月4日のオリックス戦で移籍第1号となる本塁打を放つと、同試合から3試合連続安打。『9番・センター』で出場した8月11日の日本ハム戦では1試合に3つの四球を選び、8月13日の日本ハム戦で1番に復帰し本塁打を含むマルチ安打。
試合後には「今までチームに迷惑を掛けてきたのでホームランを1本打てて、勝つことができて良かったです。また明日からも打てるように頑張っていきたいです」と決意を述べた。
2試合連続で『1番・センター』で出場した14日の日本ハム戦は、初回の第1打席、今季初先発の日本ハム先発・北浦竜次に対し、ファウルで粘りに粘って3ボール2ストライクからの9球目、144キロのストレートにバットを折れながらも、セカンドへの内野安打で出塁。一塁へのヘッドスライディングは、なんとしても塁に出ようという気迫が伝わってきた。このヘッドスライディングをきっかけに、マリーンズは初回に一挙5点を奪った。
3回の第3打席はライト前に弾き返す安打で2試合連続マルチ安打とすると、4番・安田尚憲の適時二塁打でホームに生還した。試合後には、井口監督は福田について「この何日かボールが見えていた。塁に出れば機動力が使える選手。走れる選手がいないと、なかなかチームとして回っていかない」と評価した。
8月23日のソフトバンク戦からは3試合連続マルチ安打と、調子を上げてきた中で、『右恥骨筋損傷』で8月29日に一軍登録を抹消された。
代わって昇格した加藤翔平がバットでアピールし、菅野剛士、清田育宏、角中勝也といった外野陣がバットで存在感を示す。9月23日に昇格したときには、外野のレギュラー争いがさらに熾烈になっていた。福田秀もライバルに負けじと、復帰初戦となった9月23日の楽天戦から5試合連続安打。『6番・ライト』で出場した9月27日のソフトバンク戦では「正直自分のなかでは嬉しいです」と自身2年ぶりとなる1試合4安打をマークした。
10月に入ってからも3日と4日の西武戦で2試合連続本塁打を放つなど、2試合連続で複数安打を放った。10月6日以降は当たりが止まり、新型コロナウイルス感染で一軍登録を抹消された選手に代わり昇格した2年目の藤原恭大が、バットで結果を残した。そのため、新型コロナ感染で離脱していた選手たちが一軍に復帰してからは、ベンチスタートが増えた。
移籍1年目は不本意な結果に終わったが、昨季は.135と課題にしていた左投手に対して今季は、打率.286(56-16)と克服し、要所で素晴らしい働きを見せたのも事実。来季はシーズン最終盤でチャンスをつかんだ藤原をはじめ、荻野貴司、マーティン、清田育宏、角中勝也、加藤翔平、菅野剛士、和田康士朗など外野のレギュラー争い、一軍の外野手枠の争いは今年以上に熾烈になることが予想される。その競争を勝ち抜き、充実の2年目とするためにも、打ってアピールしていきたいところだ。
文=岩下雄太
ソフトバンクからFA宣言してロッテに加入した福田秀平は、レギュラーとして期待を受けて入団したが、数字だけを並べて見ると悔しい1年となった。
良い活躍をした直後に故障で離脱し、非常にもったいなかったという印象が強い。今季最初のオープン戦となった2月29日の楽天戦(ZOZOマリン)、『1番・センター』で先発出場し、「オープン戦の初戦だったし、自分のなかでももっとオープン戦がはじまるぞという気持ちで挑みました」と左の松井裕樹から先頭打者本塁打。続く第2打席は右中間を破る二塁打と、ホークス時代の昨季.135(37-5)と苦手にしていた“左投手”からマルチ安打を放った。
オープンでは9試合に出場して、打率.375(24-9)、2本塁打、4打点、3盗塁と開幕に向けてアピールしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりプロ野球の開幕が延期。6月19日にプロ野球の開幕が変更となり、6月の練習試合でも4日の日本ハム戦で「逆方向に良いバッティングが出来たんじゃないかと思います」と本塁打を放てば、12日の西武戦では1本塁打を含む4安打を放った。6月の練習試合も、打率.400(30-12)、2本塁打、4打点と結果を残した。16日の巨人との練習試合で受けた死球を受け、開幕一軍が心配されたが一軍登録され、新天地での初の開幕を迎えた。
6月19日の開幕戦の相手は、昨季まで所属していたソフトバンク。『1番・センター』でスタメン出場したが、4打数0安打3三振のほろ苦いデビューとなった。翌19日に『右肩甲骨の亀裂骨折』と診断を受け、一軍登録を抹消された。
7月23日に一軍復帰を果たしたが、ヒットは1本出るものの、なかなか複数安打を打てず、低めの変化球に手を出し空振り三振するという場面が多かった。8月2日の楽天戦後には打率.122まで下がったが、8月4日のオリックス戦で移籍第1号となる本塁打を放つと、同試合から3試合連続安打。『9番・センター』で出場した8月11日の日本ハム戦では1試合に3つの四球を選び、8月13日の日本ハム戦で1番に復帰し本塁打を含むマルチ安打。
試合後には「今までチームに迷惑を掛けてきたのでホームランを1本打てて、勝つことができて良かったです。また明日からも打てるように頑張っていきたいです」と決意を述べた。
2試合連続で『1番・センター』で出場した14日の日本ハム戦は、初回の第1打席、今季初先発の日本ハム先発・北浦竜次に対し、ファウルで粘りに粘って3ボール2ストライクからの9球目、144キロのストレートにバットを折れながらも、セカンドへの内野安打で出塁。一塁へのヘッドスライディングは、なんとしても塁に出ようという気迫が伝わってきた。このヘッドスライディングをきっかけに、マリーンズは初回に一挙5点を奪った。
3回の第3打席はライト前に弾き返す安打で2試合連続マルチ安打とすると、4番・安田尚憲の適時二塁打でホームに生還した。試合後には、井口監督は福田について「この何日かボールが見えていた。塁に出れば機動力が使える選手。走れる選手がいないと、なかなかチームとして回っていかない」と評価した。
8月23日のソフトバンク戦からは3試合連続マルチ安打と、調子を上げてきた中で、『右恥骨筋損傷』で8月29日に一軍登録を抹消された。
代わって昇格した加藤翔平がバットでアピールし、菅野剛士、清田育宏、角中勝也といった外野陣がバットで存在感を示す。9月23日に昇格したときには、外野のレギュラー争いがさらに熾烈になっていた。福田秀もライバルに負けじと、復帰初戦となった9月23日の楽天戦から5試合連続安打。『6番・ライト』で出場した9月27日のソフトバンク戦では「正直自分のなかでは嬉しいです」と自身2年ぶりとなる1試合4安打をマークした。
10月に入ってからも3日と4日の西武戦で2試合連続本塁打を放つなど、2試合連続で複数安打を放った。10月6日以降は当たりが止まり、新型コロナウイルス感染で一軍登録を抹消された選手に代わり昇格した2年目の藤原恭大が、バットで結果を残した。そのため、新型コロナ感染で離脱していた選手たちが一軍に復帰してからは、ベンチスタートが増えた。
移籍1年目は不本意な結果に終わったが、昨季は.135と課題にしていた左投手に対して今季は、打率.286(56-16)と克服し、要所で素晴らしい働きを見せたのも事実。来季はシーズン最終盤でチャンスをつかんだ藤原をはじめ、荻野貴司、マーティン、清田育宏、角中勝也、加藤翔平、菅野剛士、和田康士朗など外野のレギュラー争い、一軍の外野手枠の争いは今年以上に熾烈になることが予想される。その競争を勝ち抜き、充実の2年目とするためにも、打ってアピールしていきたいところだ。
文=岩下雄太