ソフトバンク・周東佑京 (C) Kyodo News

◆ 笠谷&坂東は“セット登板”で貴重な働き

 今季は3年ぶりにリーグ制覇を成し遂げ、日本シリーズでは再び巨人を圧倒し4連覇を達成したソフトバンク。今回は若手選手の活躍にフォーカスし、2020年のソフトバンクを改めて振り返る。

 10月にプロ野球新記録の月間22勝をマークするなど、シーズン終盤からポストシーズンにかけ圧倒的な強さを見せたソフトバンク。しかしシーズン序盤は、コロナ禍の影響による助っ人野手の合流遅れやベテラン選手の不調などもあり、借金生活が続く苦しい時期もあった。

 そんな中、主軸である柳田悠岐とともに打線を引っ張っていたのが高卒6年目の栗原陵矢だった。捕手登録だが打撃力を買われ「2番・一塁」で初の開幕スタメン入り。その開幕戦でいきなりサヨナラ安打を放つなどチームを勢いづけた。9月は月間打率.167と苦しんだが、10月は月間20打点を記録するなど復調。後半戦は右翼のレギュラーとして柳田に次ぐ118試合に出場し、打率.243、17本塁打、73打点、OPS(出塁率+長打率).727をマークした。日本シリーズでは1、2戦目に大活躍し同シリーズのMVPを受賞。飛躍したシーズンを最高の形で終えた。

 大卒3年目の周東佑京は、代走要員から内野のレギュラーにスケールアップ。9月中旬以降はスタメン1番に定着し、103試合の出場で打率.270、出塁率.325と課題だった打席成績を向上させた。先発出場が増えたことで自慢の足は相手にとってさらなる脅威となり、50盗塁で初タイトルを獲得。10月にはプロ野球新記録となる13試合連続盗塁の偉業も成し遂げた。

 投手陣は千賀滉大、石川柊太、森唯斗ら、主力の盤石ぶりもあり若手が入り込む余地は少なかったものの、高卒6年目の笠谷俊介が11先発含む20試合に登板し4勝4敗、防御率2.84とブレイク。その笠谷のあとを受け、ロングリリーフでの出番が多かった社会人出2年目の板東湧梧も、1先発含む15試合登板(31回1/2)で防御率2.56と多様な起用法にしっかりと応えた。

 昨季先発で12勝を挙げ新人王に輝いた大卒3年目の高橋礼は、今季はリリーフでチームトップの52試合に登板し4勝2敗23ホールド、防御率2.65とフル回転。大卒2年目の泉圭輔はチーム5位の40試合に登板し、0勝1敗8ホールド、防御率2.08をマークした。さらに、社会人出2年目の杉山一樹、大卒1年目の津森宥紀らも一軍の舞台で好リリーフを披露。層の厚さを見せつけた。

◆ 近年はFA選手の補強はなし、若手育成がV4の原点

 チーム内競争が激しい常勝軍団。ファームでは次世代の主力候補たちが、ウエスタン・リーグのタイトルを総なめした。大卒3年目の大竹耕太郎は、最多勝(6勝)、最優秀防御率(2.53)、勝率第一位(.667)の投手3冠を獲得。一軍でも3試合に先発し2勝0敗、防御率2.30と結果を残した。

 野手では高卒4年目の三森大貴が、首位打者(打率.323)と最高出塁率(.397)の2冠。3月に支配下登録を勝ち取った高卒3年目のリチャードも、本塁打王(12本塁打)と打点王(47打点)の2冠に輝いた。JR西日本からドラフト1位で加入した佐藤直樹は20盗塁で盗塁王。ファームでタイトルを獲得した面々は『NPB AWARDS 2020』の表彰式に登場し、「来年は一軍で」と声を揃えた。

 ファームでは他にも、来日2年目のカーター・スチュワート・Jrが高い奪三振率をマークし、高卒4年目の古谷優人は二軍戦で防御率2.31をマークし7月には一軍デビューを果たした。慶大からドラフト5位で加入した柳町達は、二軍戦で打率.295、出塁率.378をマーク。育成選手では大卒2年目の重田倫明が三軍戦で防御率2.07、支配下復帰を目指す高卒5年目の黒瀬健太は三軍戦で8本塁打を放つなど、楽しみな若手がゴロゴロしている。

 ソフトバンクは2010年代前半まで毎年のようにFA選手を獲得していたが、2013年オフに獲得した中田賢一(現阪神)と鶴岡慎也(現日本ハム)を最後に、近年はFAでの補強はゼロ。日本シリーズ4連覇の要因は育成力だ。

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ベースボールキング編集部

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