ブレーブスで二遊間を中心に27試合に出場
ロッテの新外国人・エチェバリアは、内野のレギュラー争いを盛り上げる存在になるかもしれない。
井口資仁監督もエチェバリアを獲得した際に球団を通じて「メジャーを経験している選手で、いい影響をチームに与えてくれると思う。数年前までメジャーのレギュラーとして出ていた選手なので、とても楽しみ。内野はどこでも守れるし、ホームランは20本以上を期待している」とコメントを寄せた。
エチェバリアは、2012年にブルージェイズでメジャーデビューを果たすと、マーリンズ、レイズ、パイレーツ、ヤンキース、メッツと渡り歩き、19年途中からブレーブスでプレーし、昨季は60試合の短縮シーズンの中27試合に出場した。メジャー通算9年間で922試合に出場。
セカンド、サード、ショートと内野ならばどこでも守れ、昨季はセカンドで12試合(88回2/3・0失策)、サードで8試合(44回・4失策)、ショートで4試合(11回・0失策)に出場した。メジャー9年間で最も多く出場しているのがショートの813試合だが、19年以降はセカンドでの出場が多い。
打撃面でも19年には、シーズン自己最多となる9本塁打を放つなど、メジャー通算打率は.253、37本塁打、65打点、35盗塁の成績を残した。井口監督が「ホームランは20本以上を期待している」と話すように、昨季リーグワースト2位タイの90本塁打だった長打力不足を解消するという意味でも大きな期待がかかる。マリーンズ打線でいえば、主力に左打者が多いなかで、右打者であることに加え、パンチ力があるというのは貴重な存在となりそうだ。
▼ エチェバリアの直近3年間の出場ポジション
※(出場イニング数・失策数)
・2018年
セカンド:0試合
サード:4試合(10回・0失策)
ショート:92試合(717回1/3・4失策)
・2019年
セカンド:29試合(204回・2失策)
サード:9試合(71回・0失策)
ショート:27試合(182回・4失策)
・2020年
セカンド:12試合(88回2/3・0失策)
サード:8試合(44回・4失策)
ショート:4試合(11回・0失策)
他の選手にも刺激!?
マリーンズではセカンドに3年連続全試合出場中の中村奨吾がおり、ショートでレギュラーを争うことが予想される。
マリーンズのショート事情でいえば、井口資仁監督が就任した18年以降、藤岡裕大が3年間レギュラーとして出場してきた。藤岡は先を狙う積極的な走塁、粘り強い打撃、時折見せる勝負強い打撃など要所で良いプレーを見せてきたが、3年間での通算打率が.237というのはかなり寂しい。
新外国人のエチェバリアが加入したことで藤岡をはじめ、三木亮、福田光輝、平沢大河、西巻賢二らによるレギュラー争いが例年以上にハイレベルなものになれば、選手の底上げにも繋がる。
また、エチェバリアはメジャーでセカンドやサードも守っており、故障や打撃不振の選手が出れば、穴を埋めることもでき、セカンド・中村奨吾、サードの安田尚憲、レアード、ファースト・井上晴哉にも刺激を与える存在になるだろう。
メジャーで922試合に出場した実績があるとはいえ、日本でプレーしたことがなく、現時点でどのような成績を残すかは分からないが、内野陣の層がやや手薄だったところに内野ならどこでも守れる選手が加わったことは、チームにとって大きなプラス。評判通りの働きを見せることができれば、チーム力がアップすることは間違いない。実戦でどんなプレーをするのか今から楽しみだ。
文=岩下雄太