二遊間のポジション争いが熾烈に
FA権を行使して巨人に移籍した梶谷隆幸選手の人的補償として、DeNAが獲得した田中俊太選手(27)の入団会見が5日、横浜の球団事務所で行われた。新天地での背番号は「38」となる。
会見に同席した三原一晃球団代表は「編成部でシュミレーションをして、しっかりと準備をしていた。リストをいただいたタイミングで田中選手が獲得可能だったので、あまり時間をかけなかった」と異例の短期決着に至った経緯を振り返り、「粘り強いバッティングと長打も魅力。スピードもあり走塁も上手い。走攻守バランスのとれた選手」と評価。二遊間のポジション争いに絡む活躍を期待した。
田中は「いきなりの事で驚いてはいる」と複雑な心境を口にしながらも、巨人で共にプレーしたことのある、中井大介らとは既に連絡を取っていることを明かし、「全く知らない環境ではないので、知っている先輩や同級生に聞きながら、一日でも早くチームに溶け込めるように」と前を向いていた。
田中は「走攻守、すべてで力を出していきたい」と意気込み、「新天地で気持ちも新たにしたい。ジャイアンツで培ったものをしっかり出せるところもあると思う」とコメント。2度のリーグ優勝という経験値を糧にする構えだ。
内外野守れるユーティリティ性も魅力であり、自らの強みも重々承知している。その上で「何ができるかをしっかりと考えながら、チームの勝利に貢献できる最大限のプレーを」と繰り返した。
「今までと変わらず出来ることをしっかりと、ワンプレー、ワンプレーを堅実にやる」。長年“凡事徹底”を掲げてきたベイスターズにとって、うってつけの男が、柴田や大和、伊藤裕、新人の牧らとの熾烈を極める二遊間争いに割って入っていく。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)