即戦力候補の大卒右腕は
DeNAのルーキー8選手が6日、『DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA』内にある若手選手寮『青星寮』に入寮した。
ドラフト1位の入江大生投手(明治大学)は、真新しいスーツ姿で入寮し「年も開けて、また新たな気持ちで野球に対してより真摯に取り組みたい」と引き締しまった表情でコメント。年末年始は地元の栃木で親族やお世話になった方々への挨拶回りをした後、「休むことも必要だと思い、しっかりと休養をとった」と、リフレッシュしてこの日を迎えた。
持参したのは「20〜30通の手紙」。「どうしても野球をいい立場でやっていると、感謝の気持ちを感じていても少しづつ薄れていってしまう。改めて応援されている、だから頑張るとの強い自我、自覚を持つために持ってきた」と理由を説明し、「ファンレターにも必ず目を通したい」とファンからのエールを心待ちにした。
オフは「球団からも投げることはしっかりやるように」と指示されていたようで、合同トレーニングでは「キャンプに向けてしっかりとやれるような身体作りをし、キャンプでは1年間野球を行うための体力、技術を身につけたい」と先を見据えた。
“2000のギャグを持つ男”としても有名な入江は「さっきやってきました」と、いきなり球団の動画撮影を済ませたことも告白し、「やりきった感はあります」とニヤリ。感謝の念と明るさを武器に、即戦力の期待に応えていく。
それぞれが決意と希望を胸に入寮
一方、ドラフト2位の牧秀悟選手(中央大学)は、美容師の母親に散髪してもらい、髪型を整えて入寮。「いよいよプロ野球選手になるんだという実感がわいてきてます」と心境を口にし、「高校から大学に上がった時も凄いなと思ったのですが、プロの寮は何倍も凄い。野球に打ち込める」と、プロでも屈指の施設に目を輝かせた。
持参したのは「シニアのチームメイトがメッセージを入れてプレゼントしてくれた」というバット。「部屋に飾って、調子の悪い時に見て頑張っていきたい」と、仲間のエールを糧にプロでの生活をスタートさせる。今年に入ってからは、1月1日の昼過ぎからジムで体を動かしており、新人合同トレーニングに向けた準備も万端。「1年間戦える体力を付けるようにトレーニングに取り組みたい。持ち味のバッティングを伸ばしていきたい」と、意欲を示した。
この日は、育成を合わせた8人全員が入寮し、いよいよ新人合同自主トレをスタートさせていく。地元横浜高校から3位指名された大型左腕・松本隆之介投手は「1年目から一軍登板が目標、4位のスラッガー・小深田大地選手(履正社高校)は1つ上の高校の先輩・阪神の井上広大に「早く追いつけるように頑張る」」と意気込んだ。
中継ぎ左腕として期待される5位指名の池谷蒼大投手(ヤマハ)は、「1年間を通して活躍できるように」との目標を掲げ、6位の高田琢登投手(静岡商業)は「ドラフトの順位は関係ない。上がって行きたい」との決意を口にした。また、育成ドラフト1位の石川達也投手(法政大学)は、「一日でも早く支配下に上がれるように」、同2位の加藤大投手(横浜隼人)は「一日中野球ができる環境の中で、課題をひとつひとつ潰していきたい」と、それぞれの抱負を語った。
合同自主トレは8日から29日まで『DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA』で行われる予定。船渠(せんきょ)を意味する『DOCK』で、プロ野球という大海原に向けた若武者たちの航海が始まろうとしている。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)