エースナンバーの活躍が目立った2020年
中日は昨年12月、梅津晃大投手(24)の背番号を「28」から「18」に変更すると発表。3年目を迎える長身右腕の飛躍が期待される。
昨季は新たに18番を背負った投手が輝いたシーズンだった。「43」から「18」に変更したオリックスの山本由伸は、2年連続で規定投球回をクリアし8勝4敗、防御率2.20の好成績をマーク。さらに149三振を奪い奪三振王のタイトルを獲得した。「64」から「18」に出世したロッテの二木康太は、自己最多の9勝(3敗)をマークし、防御率も3.40と安定。後半戦はハイペースで白星を重ね、チームの2位確保に大きく貢献した。
前田健太のメジャー移籍以降、空き番号になっていた広島の「18」を5年ぶりに背負ったのはドラフト1位で加入した森下暢仁。即戦力右腕は10勝3敗、防御率1.91の好成績を残し、目標に掲げていた新人王を見事に獲得した。
2019年から「18」を背負う巨人の菅野智之は、開幕13連勝を達成するなど14勝2敗、防御率1.97でリーグMVPを受賞。入団1年目から「18」を背負う阪神の馬場皐輔とヤクルトの寺島成輝はそれぞれシーズン自己最多登板数を更新するなど、球界全体で“エースナンバー”の好投が目立った2020年シーズンだった。
中日の18番は近年伸び悩む傾向に…
梅津は昨季、初登板初勝利を挙げるなど開幕から先発ローテーション入りするも、8月上旬に右肘の不調を訴え登録抹消。そのまま戦列に復帰することなく、7試合の登板で2勝3敗、防御率3.74の成績で2年目を終えた。
アマチュア時代から故障が多く2年間で計13試合の登板にとどまっているが、能力の高さは誰もが認めるところ。今季こそ先発ローテーションで腕を振り続け、目標に掲げる規定回到達、2ケタ勝利を達成したい。
中日の「18」は2019年に松坂大輔(現西武)が背負い、昨年は空席だった番号。ただ、松坂以前は中里篤史(2006~08)、伊藤準規(09~13)、鈴木翔太(14~18)と期待の若手が背負ってきたが、各右腕とも伸び悩んだ過去がある。そもそも、竜党の中では「中日のエースナンバーは20」という声が根強く、こちらは2017年まで背負っていた野村亮介が退団して以降、空き番号となっている。
昨季8年ぶりのAクラス復帰を果たした中日。今度は10年ぶりのリーグ制覇へ、若手の大ブレイクは欠かせない。昨季18番を託され期待に応えた冒頭の投手たちのように、梅津にも“エースナンバー”に相応しい飛躍を期待したい。