栗山と中村の打のベテラン今日はA班に
西武の全体会議が18日に所沢の球団施設で行われ、辻発彦監督をはじめとする球団首脳陣やチームスタッフが出席。2月1日からはじまる春季キャンプメンバーの振り分けなどが話し合われ、昨年8月に右足首を痛め、シーズン途中で離脱を余儀なくされた山川穂高選手はB班スタートとなった。
会議終了後、取材に応じた辻監督は「バッティングで軸足は一番大事なところ。右足の使い方が大事で、それができないと打てないのを本人も十分にわかっていると思う」と語り、「しっかり走れる、しっかり守れるというところになればすぐにでも合流して欲しい」と、早期合流に期待を寄せた。
一方、栗山巧と中村剛也のベテラン野手二人に関しては、メヒアやスパンジェンバーグといった外国人の合流時期が見通せないことを鑑みてA班スタートとする方針。辻監督は「当初はゆっくりでもいいかなと思ったが、ポジションや人数的なことを考えて」の決定であることを明かし、一部別メニューでケガに気をつけながら調整させていく考えを示した。
また、外国人選手たちに関しては、キャンプ期間中の合流は難しいのではないかとの見方を示し、「3月に入ってきて、中頃に実戦となればいいけれど、開幕は間に合わないと思ってやっておいた方がいい。そのつもりでいます」と、外国人選手不在を想定。結果的にチャンスが巡ってくる若手に関しては「何かをつかんで、一軍でやりたいという気持ちを持って野球に取り込んでもらいたい」とキャンプを通してのアピールと成長に期待を寄せた。
殻を打ち破らないと先はない
無観客でのキャンプインについては「しんどい練習メニューが多いなか、ファンの声援や拍手で応援してもらうことが活力になるが、やることは一緒なのでより集中して取り組んでもらいたい」とコメント。さらに、「外に人を出さないように十分に注意しながら、キャンプを無事終了させて開幕を迎えられるようにすることが最も重要」と続け、気を引き締めた。
今年のキャンプも「やることはそんなに変わらない」とのことだが、プレーの質や精度を細部にまでこだわっていくことをコーチ陣にも求めた。細かいチームプレーなどに関しては選手たちも理解しているとしながら、「チームが勝つためにはそういう細かいプレーを確実にできるようにしないといけない。それができないと、わかっていないのと一緒。自分が考えることを実現できるように技術的にマスターしていかないといけない」とし、失敗しても明日があるという考えではなく、練習でできないことを追求していくなど、「向上心を持って選手と共にやって欲しい」と要望した。
キャンプでは「ひとつのことを大事に、あやふやにしない。一日一日、何か会得できるように、上達できるようにやっていくということ」との心構えを説き、「自分の今までのスタイル、その殻を打ち破らないと先は、優勝は見えてこないと。一人ひとりが目的意識をしっかり持って今までと違うところをより上のレベルになるためにしっかりとやってもらいたい」と続けた。
リーグ連覇を果たしたチームではあるが、辻監督は「まだまだ競争力のある本物のチームではない」「(今季)優勝できず、今年Bクラスとなればチームの士気は落ちてしまう」といった認識を示し、選手たちには「ズルズルいかないためにもしっかりと結果を残す。昨年の悔しさを晴らす。チーム全体が優勝を一番に考えて過ごすということ」を念頭に置いてキャンプに臨むことを求めた。なお、春季キャンプの全メンバーは後日発表される。