昨季の救援防御率は12球団ワーストの4.64
広島は19日、2月1日から始まる春季キャップのメンバー振り分けを発表した。新人ではドラフト1位の栗林良吏投手(トヨタ自動車)、同2位・森浦大輔投手(天理大)、同3位・大道温貴投手(八戸学院大)、同6位・矢野雅哉(亜大)の4選手が一軍メンバー入り。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一軍が沖縄市、二軍は宮崎県日南市が拠点の分離キャンプとなる。
佐々岡体制1年目だった昨季は、不安定な戦いが続きリーグ5位。打線はリーグ2位の523得点を記録したものの、ブルペン整備が難航し失点は得点を上回る529点を数えた。リーグ3連覇のあと2年連続Bクラスと苦しむ広島。覇権奪還へ、土台作りとなる今キャンプの注目ポイントを探る。
●勝ちパターン確立&ブルペン整備
昨季は新外国人の誤算もあり、救援防御率は12球団ワーストの4.64。ブルペン強化が最大のテーマだ。現時点で新型コロナウイルスの陽性反応が出たフランスアと、入国規制の影響で来日できていない新セットアッパー候補のバードはキャンプ合流日が未定。まずは既存戦力の見極めが焦点となる。昨季ともに自己最多登板を記録した塹江敦哉、ケムナ誠、島内颯太郎の3投手は一皮むけてほしいところ。昨季の二軍セーブ王・田中法彦、11月のフェニックスリーグで能力の高さを示した育成のコルニエルは一軍メンバーに大抜擢。奪三振率の高さが魅力の新人・大道らも含め、ニューフェイスの台頭にも期待したい。
●楽しみな若手揃う先発ローテ争い
昨季故障に苦しんだ野村祐輔と大瀬良大地が二軍スタート。それでもフレッシュで楽しみなスターターが揃っており、先発ローテーション争いはレベルの高いものになりそうだ。昨季チーム最多の130回2/3を消化した九里亜蓮、2020年の新人王・森下暢仁は開幕投手を狙う立場。いい形で昨年を終えた床田寛樹、中村祐太、遠藤淳志は開幕ローテ入りを狙う。新たにドラフト1位で加わった栗林良吏、床田に続きトミー・ジョン手術からの復活を目指す高橋昂也も楽しみだ。
●野手は新助っ人&若手に注目
野手の大注目は新外国人のクロン。右の大砲は万事に備え1月3日に来日するなど、早くもカープファンの心をつかんでいる。若手ではともに高卒3年目の林晃汰と羽月隆太郎、大卒3年目で育成から這い上がてきた大盛穂が一軍メンバーに入った。守備力に定評のある新人の矢野も楽しみな選手。他の右投げ左打ち内野手との違いを見せられるか注目だ。
広島キャンプのメンバー振り分けは以下の通り。
【一軍】
<投手=17人>
九里亜蓮、大道温貴、森浦大輔、森下暢仁、栗林良吏、薮田和樹、床田寛樹、ケムナ誠、高橋昂也、塹江敦哉、矢崎拓也、島内颯太郎、田中法彦、遠藤淳志、中村祐太、テイラー・スコット、ロベルト・コルニエル
<捕手=4人>
中村奨成、會澤翼、坂倉将吾、石原貴規
<内野手=9人>
曽根海成、上本崇司、田中広輔、堂林翔太、ケビン・クロン、菊池涼介、林晃汰、矢野雅哉、羽月隆太郎
<外野手=6人>
鈴木誠也、長野久義、野間峻祥、正隨優弥、松山竜平、大盛穂
【二軍】
<投手=20人>
大瀬良大地、今村猛、岡田明丈、野村祐輔、中﨑翔太、中田廉、一岡竜司、菊池保則、高橋樹也、山口翔、アドゥワ誠、鈴木寛人、小林樹斗、藤井黎來、中村恭平、玉村昇悟、行木俊、畝章真、佐々木健、戸田隆矢
<捕手=4人>
白濱裕太、磯村嘉孝、二俣翔一、持丸泰輝
<内野手=6人>
安部友裕、三好匠、桒原樹、小園海斗、韮澤雄也、中神拓都
<外野手=5人>
宇草孔基、高橋大樹、永井敦士、西川龍馬、木下元秀
※カイル・バード投手、ヘロニモ・フランスア投手、ドビーダス・ネバラスカス投手、アレハンドロ・メヒア内野手はチーム合流日が未定。