初のブルペン入り
DeNA先発陣の中核として、活躍に期待のかかる左腕・濱口遥大投手が26日、球団のファーム施設『DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA』で今年2回目の練習を行い、午前中には初のブルペン入りも果たした。
午前中の練習後にZOOMでの取材に応じた濱口は、傾斜を使って約20球の立ち投げとブルペンでの投球練習を実施。「傾斜や指のかかりを意識して、ある程度自分の意図したボールも投げられた。まずまず」と自己評価し、「キャンプインまでにもう1回ブルペンに入る。逆算しながらやっていく」とのプランを明かした。
オフはチームメイトの大貫晋一も通うジム『ベストパフォーマンスラボ』でトレーニング。「身体の使い方をしっかり覚えて、キャッチボールしていても変わってきた」と手応えを口にした。また、「体を大きく使って、チェンジアップ、フォーク、スライダー、カーブを腕を振って投げる。全体的に強くリリースする」ことも意識している。
昨年に関しては「終盤は出力が出ず、いい感触がないまま終わってしまった」と反省したが、「前半の出来は良かった。取り戻せれば勝負できる」との手応えも感じた。その一方で、「1試合における(ストレートの)アベレージが141,2キロだった。145キロくらいは出していきたい。バッターに対して、ボールが来ているなとイメージさせる。全体的に底上げしていきたい」とレベルアップを試みる。
芽生えた自覚と決意
大卒5年目の今シーズンは、「開幕投手を目指してやっていく。チームの柱となれるように」と宣言。昨年はエースの今永昇太がシーズン途中に怪我で戦線離脱した際、「チームとしてグラついた」と感じているからだ。
濱口は昨季を振り返り、「先発陣の中で、経験のない選手が多く、なかなか先発陣が引っ張っていくことができなかった。今永さんにいつも引っ張ってもらっていたんだなとすごく感じた。チームとしてそれではいけないと強く感じた」と猛省。その今永は今季、開幕に間に合わない公算が高い。「今永さんも東(克樹)も今の段階ではわからないので、僕にとってはチャンス。特に先発陣の中では、先頭に立って引っ張っていく」と決意を新たにした。
このところは思うような結果を残せていないが、「監督コーチだけでなく、野手からも認められないといけない。野球以外の部分、振る舞いや、マウンド上での雰囲気などを持ち合わせていないと認められない。開幕投手をやるならば、1年間しっかりとした成績を残さなければいけない。チームのエースと言われる人たちがやるものだと持っているので、そこを目指してやっていきたい」と意欲を示した。
開幕日の3月26日に向け、「これからの1カ月をどう過ごすのかが大事」と闘志を燃やす左腕。まずは2月から始まるキャンプにおいて「三浦さんに認めてもらうようにアピールしていくだけ」だ。長年に渡って新指揮官が君臨していた“エース”の座を目指し、万全の状態を作り上げていく。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)