ベテラン抜けた救援整備も要注目
2月1日から一斉に開始される春季キャンプ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間は全球団が、無観客で実施することを発表している。阪神は今年も一軍が沖縄県宜野座村、二軍は高知県安芸市で本格始動。2005年シーズン以来のリーグ優勝へ、阪神キャンプの注目ポイントを探る。
●守備強化&遊撃争い、川相臨時コーチ就任!
昨季12球団ワーストの85失策を記録した阪神。本拠地が土のグラウンドのため不利な面もあるが、1試合あたりの平均チーム失策数も見ても2017年が0.57、18年は0.62、19年と20年はいずれも0.71と悪化の一途。糸原健斗や大山悠輔のレギュラー格も含め、守備強化は注力ポイントのひとつだ。近年固定できてない遊撃争いにも終止符を打ちたいところ。北條史也、木浪聖也、小幡竜平に加え、ドラフト6位の中野拓夢(三菱自動車岡崎)、巨人から金銭トレードで加わった山本泰寛も一軍メンバーに名を連ねた。さらに球団は、現役時代に巨人の正遊撃手として活躍した川相昌弘氏をキャンプ臨時コーチとして招聘。守備力アップだけではなく、バントや小技面の技術向上にも期待大だ。
●能見、藤川が抜けたリリーフ陣
先発投手は揃っており、実績のある西勇輝、秋山拓巳、青柳晃洋、髙橋遥人らに加え、再び先発ローテ入りを目指す藤浪晋太郎や高卒2年目の西純矢らが、どこまでアピールできるかに注目。救援陣も残留したスアレス、エドワーズ、岩崎優ら勝ちパターンの陣容は強力だが、オリックスへ移籍した能見篤史、引退した藤川球児の退団もあり、頭数を揃える必要がある。今季も救援起用を見据える岩貞祐太や昨季飛躍した馬場皐輔に加え、ドラフト2位の伊藤将司(JR東日本)、前ソフトバンクの加治屋蓮ら、新戦力にも注目だ。
●ドラ1・佐藤&高卒2年目・井上のアーチ合戦の期待
4球団競合の末に獲得したドラフト1位の佐藤輝明(近大)、昨季ウエスタン・リーグで9本塁打を放った高卒2年目の井上広大が揃って一軍メンバー入り。新たな若手大砲のアーチ合戦に期待が膨らむ。大学時代は三塁が主戦場だった佐藤が、どのポジションを守るのかにも注目。今年はコロナ規制による外国人の合流遅れが予想されるため、実戦でのチャンスも多くなりそうだ。
すでに発表されている阪神の一軍キャンプメンバーは以下の通り。
【一軍】
<投手=21人>
岩崎優、チェン・ウェイン、西純矢、西勇輝、岩貞祐太、馬場皐輔、藤浪晋太郎、伊藤将司、小野泰己、髙橋遥人、佐藤蓮、谷川昌希、ジョン・エドワーズ、秋山拓巳、齋藤友貴哉、ジョー・ガンケル、青柳晃洋、加治屋蓮、小川一平、石井大智、鈴木翔太
<捕手=4人>
梅野隆太郎、坂本誠志郎、榮枝裕貴、原口文仁
<内野手=10人>
山本泰寛、木浪聖也、大山悠輔、佐藤輝明、北條史也、ジェフリー・マルテ、糸原健斗、小幡竜平、中野拓夢、陽川尚将
<外野手=7人>
近本光司、糸井嘉男、髙山俊、井上広大、ジェリー・サンズ、中谷将大、小野寺暖