第1クールを総括
「毎日内容の濃い練習ができているんじゃないかなと思います」。
ロッテのドラフト5位ルーキー・西川僚祐(東海大相模高)は、春季キャンプの第1クールをこのように振り返った。
“濃い練習”について詳しく聞いてみると、西川は「打撃練習もそうですけど、走塁、守備練習をイチから教えてもらい、学べているのは良いのではないかなと思います」と話し、「ノック以外でも守備であったら、高校野球でもやるような基本的なこともプロ野球でもイチからやるというのは、プロに入っても基礎基本が大事だということがわかりました」と、改めて“基本”の重要性を再認識した。
西川が過ごすファームの春季キャンプには、荻野貴司、角中勝也、井上晴哉、福田秀平といった主力選手もいる。プロで長く活躍する選手たちと一緒に練習するなかで、「ノックでもバッティングでもとにかく無駄な動きがないというか、自分たちのやらなければいけないことがわかっている。自分よりも落ち着き、余裕があるなと感じますね」と自身と長年プロで経験を積む先輩たちとの違いを肌で感じたそうだ。
長打力が魅力
西川の武器のひとつが、高校時代に通算55本塁打を放った“長打力”。打撃練習では、「ボールを上から叩いて、距離を出すこと」を意識して取り組んでいる。
第1クールを終えて現状の自身の打撃に「打球の飛び方は自分でも良い感じで飛んでいるなと思います」と話しながらも、「まだまだ自分が理想とするというか思い描くバッティングが、50%くらいかなと思います」と納得がいっていないようだ。
では残りの50%の課題はどういった部分になってくるのだろうかーー。「バットの出方もそうですし、本格的に投手と実戦で対戦している状態ではありません。対投手になったときに、どういうバッティングができるかだと思います」と話した。
マリーンズは長年長距離砲不在
プロの世界に飛び込んだばかりの西川は将来、「日本を代表する右バッターになれたらいいなと思います」と目標を掲げる。そのなかでも、マリーンズは長年長打力不足に喘いでおり、直近10年でシーズン30本塁打以上放った選手は2019年のレアードのみ。25歳以下の右打者にいたっては、昨季パ・リーグで唯一本塁打が“0”だった。そういう意味では、3年目の山口航輝とともにルーキーの西川には将来的に長打力で、大きな期待がかかる。
そこについては、「ホームランを打ちたいという気持ちはあります」としながらも、「ヒットを打てるようになってからホームランが出ると思います。まずは打率、確率にこだわって、今年1年間強いスイングができたらいいなと思います」と意気込んだ。
「ホームランにこだわりすぎると、バッティングが崩れたりするので、バッティングにしても、守備、走塁でも基本を大事にしてやっていけたらなと思います」。
近い将来、安田尚憲、藤原恭大、山口らとともにマリーンズの中心打者として引っ張っていくために、“基本”を大切に1日1日大事に過ごしていく。
取材・文=岩下雄太