ニュース 2021.02.17. 11:30

あの3カ月を忘れない “マリーンズの伝説”となった澤村拓一

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澤村拓一 (C) Kyodo News

レッドソックスへ移籍


 昨季までロッテでプレーしていた澤村拓一は、米大リーグ・レッドソックスへの移籍が決まった。

 澤村は2020年9月7日に香月一也とのトレードでマリーンズに加入し、在籍した期間はわずか3カ月弱だったが、その働き、その存在感は、一生忘れることはないだろう。3カ月で“マリーンズの伝説”の男となった。

 その“伝説”のはじまりは、2020年9月8日、ZOZOマリンスタジアムで行われた日本ハム戦。

 当時のチーム状況を振り返ると、2位・マリーンズは、澤村が加入前の9月4日からの首位・ソフトバンクとの3連戦で3連勝し0.5差にゲーム差を縮め、勢いに乗った中で迎えた日本ハム戦だった。

 3-2と1点リードで迎えた6回。「小野に代わりまして澤村、マリーンズのピッチャー・澤村拓一、背番号57」。ウグイス嬢の谷保恵美さんが澤村の名前をアナウンスすると、新型コロナウイルス感染拡大の影響により大声での応援は禁止されていたが、自然とスタンドからは大歓声が起こる。

 前日の9月7日に香月一也とのトレードで加入し、8日の午後に入団会見を終えたばかりの澤村は、ユニホームが間に合わず、福島明弘打撃投手の背番号“106”を借りてマウンドに上がった。

 圧巻だった。先頭の渡邉諒を伝家の宝刀スプリットで空振り三振に仕留めると、自身と同じくドラフト1位で巨人に入団し、トレードでパ・リーグの球団に移籍した大田泰示を3球三振。19年に巨人で一緒にプレーしたビヤヌエバを初球で打たせて取り、捕邪飛でチェンジかと思われたが、捕手の田村龍弘が落球。ビヤヌエバを追い込んだ後、最後は148キロのスプリットで空振り三振に斬って取り、本拠地デビュー戦を最高の形で飾った。

 試合後にはお立ち台に上がり、澤村は「名前を呼ばれたときの声援は絶対に忘れません。これからはマリーンズのために腕を振っていきます。よろしくお願いいたします」と、マリーンズファンのハートをがっちりと掴んだ。

 その言葉通り、澤村は“マリーンズのために”腕を振り続けた。加入直後は勝ち試合の6回を任されていたが、勝ち試合の8回を担当していたハーマンが9月16日に、『右手第2指伸筋腱損傷』で一軍登録を抹消。澤村は勝ち試合の8回を担当することになった。

 9月20日の日本ハム戦(札幌ドーム)では、3-3の9回に守護神・益田直也が登板していたため、2点勝ち越した直後の10回に登板。3つの四球で満塁のピンチを招くも、渡邉を二ゴロに打ち取り、移籍後初セーブを挙げた。

 マリーンズのリリーフ陣は開幕から1週間に4度の登板というのはなかったが、9月29日の日本ハム戦から10月4日の西武戦にかけての1週間で澤村は、4試合に登板。10月2日の西武戦で移籍後初黒星を喫したものの、その他の3試合はきっちりと抑え、3つのホールドを挙げた。10月に入りチームは失速しリーグ優勝は逃したものの、澤村はマリーンズのために腕を振り続けた。4年ぶりにCS進出を決めた11月8日の西武戦は4点リードの8回から登板し、1回を無失点に抑え、益田にバトンを繋いだ。

 11月15日。ソフトバンクとのクライマックスシリーズは連敗で、日本シリーズ進出が叶わず、マリーンズの2020年の戦いが終わった。シーズン終了後の11月30日。澤村は球団を通じて「今回は色々な人と話をした中で、おもいきって行使をすることにしました。自分の野球人生なので、悔いのない選択をしたいと思います」と海外FA権行使を表明。新背番号『14』を用意してマリーンズは待っていたが、レッドソックスへの移籍が決定となった。

 マリーンズでの在籍期間はわずか3カ月弱だったが、チームのために腕を振ったその雄姿をマリーンズファンは忘れないだろう。海を渡っても、マリーンズの熱き魂を忘れずに、レッドソックスファンを魅了してほしい。ありがとう。澤村拓一。

文=岩下雄太

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