坂倉離脱も中堅・若手が切磋琢磨
3年ぶりのリーグ優勝を目指し、一軍が沖縄市、二軍は宮崎県日南市でキャンプを行っている広島。11日に行われる予定だった一軍の紅白戦は悪天候で中止となったが、キャンプ序盤から早くも捕手陣の争いが熱を帯びている。
8日には実戦形式のシート打撃を行われ、2年目捕手の石原貴規が昨シーズン左の中継ぎとして飛躍した塹江敦哉の真っ直ぐを完璧に捉え、“チーム1号”となる豪快弾をバックスクリーンへ運んだ。一軍出場はまだないものの、昨季はウエスタン・リーグで盗塁阻止率.355をマークし、秋のフェニックス・リーグでは3本塁打をマーク。今キャンプでも非凡な長打力をさっそく首脳陣にアピールした。
11年目を迎えた磯村嘉孝も負けてはいない。今キャンプは二軍スタートだったが、下半身のコンディション不良で離脱した坂倉将吾に代わり一軍昇格。シート打撃ではシャープなバッティングだけではなく守りでも盗塁阻止を連発するなど、攻守両面で存在感を示している。4年目を迎えた中村奨成も7日のシート打撃で右前打を放つなどしっかりアピール。守備練習では安定したスローイングで高い盗塁阻止率を記録するなど、ディフェンス面での成長もうかがえる。
代打でも力を発揮した昨季の捕手陣
120試合制だった昨季の広島捕手陣のスタメン出場数は、會澤翼60試合、坂倉47試合、磯村11試合、引退した石原慶幸氏が2試合。坂倉が會澤を脅かす存在として台頭してきただけに、故障が長引かないことを願うばかりだ。
貴重な代打としても力を発揮した捕手陣。昨季、広島はリーグ最高の代打打率.275をマークしたが、その中で會澤が代打打率.353(17打数6安打)、坂倉は同打率.346(26打数9安打)、磯村は同打率.231(13打数3安打)と、スタメンを外れた試合でも貴重な代打として機能していた。
チームにとって坂倉の離脱は痛手だが、磯村、中村奨、石原貴にとっては絶好のチャンス。今後は対外試合が増え、投手の良さを引き出すインサイドワークも求められる。実戦でも引き続き、ハイレベルな競争に期待したい。