力感のないフォームで押し込む投球
阪神は12日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座で紅白戦を実施。紅組先発の髙橋遥人は2回を投げて無失点に抑えた。
前回登板・7日の紅白戦では2回を投げて3失点(自責は2)と不安な姿を見せた25歳の左腕。この日はルーキー捕手の榮枝裕貴とのコンビで実戦に挑んだ。
立ち上がりから力感のなさすぎるフォームに130キロ台の速球と、やや投げっぷりに不安を感じさせた中、先頭のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明にライト線を破られる二塁打。いきなりピンチを背負う。
それでも、2番の糸原健斗を落ちる球で空振り三振に斬ると、梅野隆太郎は内寄りのボールで投ゴロ、陽川尚将も当たりの弱い遊ゴロと、球速表示以上の球威で相手打者を押し込んでいく。
2回は中谷将大を変化球で二塁手へのハーフライナー、高卒2年目の大砲候補・井上広大も三振に仕留めた後、新加入の山本泰寛にはフルカウントから四球を与えたものの、坂本誠志郎に対してはこの日最速の145キロをマーク。最後も内寄りのボールで二ゴロに打ち取り、予定していた2回を無失点で抑えた。
昨年まで見せていた躍動感のあるフォームや、うなりを上げるような速球は見られなかったものの、130キロ台でも打者が前に飛ばすのを苦労するようなボールを投げ込み、要所では出力を上げて140キロ台のボールも見せながら、終わってみれば2回を無失点。この時期ならではの、“ニュースタイルの模索”を感じさせるような投球で、しっかりと結果を残すことができたのは収穫だろう。
昨季はコンディション不良で出遅れながら、12試合の登板で5勝4敗、防御率は2.49という好成績を残しているだけに、今季にかかる期待は大きい。年間を通してローテーションを守っていくために、開幕時にはモデルチェンジした背番号29の姿が見られるか。今後の投球にも注目が集まる。
髙橋遥人・プロフィール
ポジション:投手
投打:左投左打
生年月日:1995年11月7日(25歳)
身長・体重:181センチ・82キロ
出身地:静岡県
球歴:常葉橘高-亜細亜大-阪神(17年・2位)
[昨季成績] 12試(76.0回) 5勝4敗 防2.49
[通算成績] 37試(220.1回) 10勝16敗1ホールド 防3.31