投手出身の三浦監督、正捕手に誰を据える?
2月1日にスタートした春季キャンプは早くも折り返し地点。今後は実戦がメインとなりメンバーの絞り込みに入って行く。DeNAは14日、中日との練習試合を予定していたが雨天中止。三浦大輔新監督は「すごい雨なのでしょうがない」と残念がった。
打線の核となるソトとオースティン、今季も救援でフル稼働が期待されるエスコバーら、未だ外国人の来日にメドが立たない現状もあり、キャンプ序盤は現有戦力の見極めとともに、梶谷隆幸の後釜選びも含めセンターラインの再構築に注目が集まった。
特に捕手は、新監督の色が出やすいポジション。ラミレス前監督は自身の就任と時を同じくドラフト4位で加入した戸柱恭孝をルーキーイヤーから正捕手に抜擢した。三浦新体制での扇の要は現時点で白紙状態。13日の練習試合(対中日)ではスタメンマスクを被った4年目の山本祐大が2度の盗塁阻止を披露するなど攻守両面で活躍し、昨季は二軍監督を務めていた新指揮官に成長した姿をアピールした。14日は伊藤光が「8番・捕手」で実戦初登場の予定だったが中止。戸柱、嶺井博希らを含めた正捕手争いはこれから本格化する。
新加入の田中&牧が好アピール
昨季の二遊間は、二塁・ソトの攻撃的なオプションはあったものの、基本的に大和、倉本、柴田を二塁と遊撃でシャッフルしながら併用した形。その中で大和が打率.281、倉本は同.276、柴田は出塁率.356と、コロナ禍による過密日程の中、休養も加味した併用制が功を奏した。そこにドラフト2位で牧秀悟、梶谷の人的補償として田中俊太が新たに加入。牧は紅白戦で豪快弾、田中は練習試合でシュアな打撃と堅守を披露するなど、両選手とも新天地で好スタートを切った。
三浦監督はキャンプ中の実戦ではポジションを固定しない方針で、田中と牧もすでに主戦場の二塁だけではなく、実戦で一塁と三塁守備にも就いている。ただ、外国人が開幕に間に合えば一塁・ソト、三塁・宮崎のスタメンは決定的。同じく複数ポジションを守れる中井大介、伊藤裕季也らも含め、二遊間に関しては昨季同様、あえて固定せず併用制にする選択肢もありそうだ。
外野も両サイドの左翼・佐野、右翼・オースティンは基本固定で、焦点は梶谷が抜けた中堅争い。三浦監督は「センターと言えば守って走れる選手」と守備範囲の広さを求めており、ここまでの実戦では神里和毅と宮本秀明がスタメンに名を連ねたが、両者とも低調なスタートとなっている。同じく中堅候補の関根大気は、7日の紅白戦、13日の練習試合ともに左翼で先発出場し、2試合で計3安打をマーク。13日は途中から中堅守備に就き、正面の難しいライナーをしっかりと処理した。練習では長打力が売りの細川成也も中堅守備をこなし、経験豊富な桑原将志は二軍で汗を流している。各選手の今後のアピール合戦に期待したいところだ。
合流が遅れている助っ人勢がすんなりフィットするためにも、それまでにチームの骨格となるセンターラインの陣容は固めておきたいところ。昨季までとは違い、14日の練習試合では機動力を生かした攻撃を何度も仕掛けていただけに、センターラインの顔ぶれも大きく変わる可能性がある。