平良が口にした収穫と課題
DeNAは6日、本拠地・横浜スタジアムでオリックスとオープン戦を実施。0-5で敗れたが、開幕投手の大役を争う期待の投手たちがそれぞれ奮投を見せた。
先発はプロ8年目・25歳の平良拳太郎。昨季はシーズン途中で離脱となったため4勝止まりではあったが、防御率は2.27と安定したピッチングを見せていた。
前回登板の2月25日・楽天戦では2回6失点と炎上したが、三浦大輔新監督は「開幕投手の候補の一人として見ていますし、どういう内容で投球するのか」と、この日の変わり身に期待。前回については「真ん中にボールが集まって打ち込まれた」と振り返り、「持ち味の両コーナーへのコントロール、丁寧な投球をどう修正していくか」というところを注目ポイントに挙げた。
立ち上がりは二死から安打を許すも切り抜け、2回も二死から連打で二・三塁のピンチを作ったが、ここもホームは踏ませない。
ところが3回、またしても二死から安打で走者を許すと、さらに安打と四球で満塁のピンチ。売り出し中の紅林弘太郎には外の変化球をうまくセンターに運ばれ、この間に二者が生還。さらに一・二塁からT-岡田の当たりは打ち取った打球も、ちょうどショートとセンターの間にふらふらと舞い上がる嫌な打球。落ちればさらに失点…というところだったが、ここはセンターを守る桑原将志がダイビングキャッチ。バックの好守にも助けられ、これ以上の失点は許さず。
4回は先頭の安打から走者を三塁まで進めるも、最後は田城飛翔を三ゴロに斬ってなんとか無失点。予定していた4回を投げて球数は81。被安打7の与四球は1つ、奪三振も1で失点2。毎回走者を背負う苦しい展開の中、2点で踏ん張った。
今回の登板について、本人は「前回より良かった」とコメント。「前回打たれていた左打者のインコースにまっすぐをしっかりと投げられた」と収穫を挙げた一方で、「右打者への外の球が、狙ったところよりも外にはずれた」との反省も。
つづけて「スピードもキレも、もう少し上げていかないと」と課題を述べつつ、「3人で終わりたいところでのヒットは反省しなければならない」と、やはり1回~3回までの“二死からの出塁”を悔やんだ。
濱口は新たな取り組みに手応え
平良の後、2番手として5回から登板したのは濵口遥大。一死からいきなりアダム・ジョーンズに一発を浴びたものの、終わってみればその1点のみで4イニングを投球。球数はわずか42球という省エネピッチで、被安打2、与四球1、3奪三振の好投だった。
この日は110キロ弱のカーブも織り交ぜた緩急自在のピッチング。また、得意の牽制でピンチの芽を摘むなど、“大人なマウンドさばき”を披露。「キャンプから取り組んできた、“ストライクゾーンに強いまっすぐ”を。このピッチングスタイルを確立したい」というテーマの下、徐々に手ごたえを感じつつあるようす。
また、「縦回転をしっかりとかけ、上からボールを“叩く”ような意識づけ」のために、「カーブの使い方をキャッチボールで突き詰める」という取り組みにも挑戦中。それらが上手く機能していることも明かしてくれた。
三浦監督「決定はしていないですよ!」
左右の注目投手が見せた力投。指揮官はどう見守ったのだろうか…。
まず平良については、「前回よりは良くなっているけれども、本来の両コーナーへの投球、また右打者に対しての投球はもうひとつ。平良らしさはもう少しかな」と、やや辛めの採点。
一方、濱口に関しては、「珍しく球数も少なく、テンポ良く投げられていた。ボールに力もあって、チェンジアップの抜けも良く、落ち着いて投げていた」と高評価。
しかし、“開幕投手”について聞かれると、「決定はしていないですよ!」と明言。「今日の結果だけ見たら濱口がリードでしょうが、じっくり考えます」と、引き続き思案していくことを明かしている。
5日の試合では京山将弥も好投を見せており、昨季の先発ローテを支えた大貫晋一や、今季の逆襲にかける上茶谷大河、さらにはドラフト1位ルーキーの入江大生など、若い力がひしめくオープニングピッチャー争い。
自身は7度も“大役”を務めた三浦大輔新監督が、監督として迎える初めての開幕戦のマウンドを託すのは一体だれか…。まだまだ目の離せない争いが続く。
取材・文=萩原孝弘
セ・リーグの開幕戦
▼ 3月26日
巨人(菅野智之)- DeNA(???)
<東京ドーム 18時>
ヤクルト(小川泰弘)- 阪神(???)
<神宮 18時>
広島(大瀬良大地)- 中日(福谷浩司)
<マツダスタジアム 18時>