ショウアップナイター エピソード55
<エピソード3~スランプ脱出に一役買ったお菓子~>
~今年2021年、放送開始から「55周年」のシーズンを迎えたニッポン放送「ショウアップナイター」。これを記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく連載企画~
松井秀喜と親しいだけに、様々な“事件”を起こしてきた松本秀夫アナウンサーが、「怒られた」話から「スランプ脱出に一役買った」話まで、選りすぐりのエピソードを明かした。
松井秀喜の「松」と「秀」が共通する松本秀夫アナウンサーが、とっておきのエピソードを“3本立て”で披露した。さっそく1本目は……
「まずは、松井秀喜が星稜高校を卒業して詰襟姿で行った入団会見が終わった直後のお話。当時、笑福亭鶴光さんと田中美和子さんがパーソナリティを務めていたニッポン放送『鶴光の噂のゴールデンアワー』の中継コーナーに松井が出演してもらえる事になりました。その中継コーナーの担当は女の子2人組みで松井の両脇から色々インタビューをしていました。しかし、最後にあろうことか『じゃあ松井さんいきますよ!“チュ!”』と、突然その女の子達が松井の左右のほっぺにキスをしてリップマークをつけたのです。キスをされた松井は顔を『真っ赤に』。その場所には当然、読売巨人軍の広報の方がいまして、こちらも顔を『真っ赤に』して烈火のごとく怒っていました。
『松本、こんな話は聞いてないぞ! どうなってるんだ!』『すみません。僕もこんなことは聞いてませんでした』そのあと、こてんぱんに私が怒られことは言うまでもありません」
2つ目のエピソードは?
「松井が巨人で活躍していた頃、ショウアップナイターで恒例になっていた松井のインタビューのお話。わたくしは松本秀夫、彼は松井秀喜ということで『松秀』つながりでインタビュアーをやらせていただきました。当時は、下ネタもどんとこいだった松井。
『松井さん、最近バット振れてないんじゃないですか?』と質問すると、『まっちゃん(松本アナ)の夜のバットが羨ましいよ!』なんて事をきりかえしてくる! 国民栄誉賞を受賞している彼ですが、当時は下ネタもOKだったのです」
そしてラスト、3つ目のエピソードは……
「彼にしばらくヒットが出ないときにサプライズをしたお話。松井は石川県の出身。その石川県で知らない人がいないと言われる圓八(えんぱち)の「あんころ餅」という和菓子があります。竹皮に包まれた圓八の「あんころ餅」は松井の大好物。ノーヒットが続いていた時期に、松井にプレゼントしようと思い、当時金沢の近くの温泉宿に勤めていた私の同級生に「ごめん!圓八のあんころ餅を飛行機で今日送ってくれないか?」という無茶なお願いをし、私はそれを羽田空港に取りに行って、そのあんころ餅を松井に渡してインタビューをしました。
松本「松井さん、今日はこれを食べてヒットを打ってください!必ずヒットがでますよ!」
松井「なんで?」
松本「あんころの中身は「あん!」「あんだ!」「安打!」「ヒットが出ますよ!」
松井「くだらないこと言っているじゃないよ!」
「そんなくだらないやりとりをした記憶があります。しかしその日、松井選手にヒットが出たのは言うまでのありません」