2021.03.09 13:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 9 | 終了 | 5 | 北海道日本ハムファイターズ |
横浜 |
リードオフマンの役割果たす
DeNAの桑原将志が9日に行われた日本ハムとのオープン戦に「1番・センター」で出場し、攻守でアピール。復活を印象づけた。
桑原は初回、日本ハムの先発・河野竜生の投じた2球目のスライダーを捉え、ショートの頭上を越えるクリーンヒットを放って出塁。2番・牧秀悟の四球で二塁に進み、3番・細川成也の中飛で三進後、佐野恵太のレフトフライで生還。チームは2戦連続で完封負けを喫し、この日も初回にいきなり3点のビハインドを背負う嫌な展開だったが、その流れを断ち切る働きを見せ、チームを勢いづけた。
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2回には無死一、二塁、二塁走者は足は決して速くない嶺井博希、ピッチャーは左腕という難しい状況のなか、初球で見事に送りバントを決め、一挙に6点を奪うビックイニングへの足がかりを作った。
7回には秋吉亮相手に積極的に振っていく中で、追い込まれてからのチェンジアップを逆らわずに左中間に運ぶ二塁打とマルチヒットを記録。8回にも四球を選び3出塁と、リードオフマンとして申し分ない活躍を見せた。
セールスポイントの守備でも3回、渡邉諒のセンターの右を抜けようかというライナー性の当たりをダイビングキャッチ。中田翔にタイムリーを打たれた直後だっただけに、マウンド上の若手右腕・阪口皓亮を助けるビッグプレーとなり、カラービジョンには「EXCELLENT」の文字が踊った。
その桑原は7回表にも、無死一塁で淺間大基のセンターライナーをロスなくダイレクトキャッチし、すかさずファーストへ返球。一瞬飛び出した石川亮が慌てて帰塁し、リクエストが要求されるほどの際どい場面を演出した。そして、9回にはフェンスに激突しながらボールを掴むガッツ溢れるプレーを披露し、ゲームセットとなった。
桑原の放ったファールボールが観客のビールを直撃し周りに飛び散るハプニングで、スタンドがどよめくシーンもあるなど、様々な面で観客を沸かせた。
三浦監督も高評価
試合後、三浦大輔監督は、6回の一死三塁の場面で細川の三振の際に桑原が三塁から飛び出してアウトになった場面を振り返り、「やってはいけない。勢いが余り過ぎたかな。反省点」と厳しい言葉を続けたが、「先頭打者の役割を果たし、広い守備範囲もいいポイント」と、全体的には高評価を与えた。
6日のオリックス戦、この日の日本ハム戦と、相手先発が左腕の際に「1番・センター」で起用されているが、「状態が良ければ右左は関係ない。状態は上がってきてますし、右でもスタメンの可能性はあります」と断言した。
桑原は昨季、34試合の出場にとどまり、打数も「42」で、打率は「.139」と結果を残せず、ファームでも「.245」と不調から抜け出せなかった。2016年のシーズン途中から、レギュラーの座を掴み、翌年は全143試合に出場、打率.269、13本塁打という成績を残した“ガッツマン”が、三浦監督の下で、再び「1番・センター」の座を狙いにいく。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)