2021.03.17 13:00 | ||||
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広島の新人記録は永川勝浩
オープン戦も終盤に入り、残すところ3〜4試合となった。各球団とも主力選手たちのプレー機会が増える一方、ルーキーや若手選手たちにとっては、少ない出場機会の中でアピールを続けていくしかない。開幕を一軍で迎えるためには、なによりも結果が求められる。
新人の中で最も存在感を示しているのは、阪神のドラ1・佐藤輝明になるだろう。オープン戦とは言え、前評判以上の打力で10戦6発、オープン戦の三冠も射程圏内という活躍ぶり。その他にも、しっかりと結果を残し、開幕一軍入りをほぼ手中に収めている新人がいる。広島のドラフト1位右腕・栗林良吏もそのひとりだ。
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トヨタ自動車から広島に入団した栗林は、大卒社会人出身ということもあり、即戦力候補として春季キャンプから一軍スタート。初めてのキャンプを故障なく完走し、オープン戦では3試合に登板、3回を投げて4奪三振。ひとりの走者も許さないパーフェクトピッチングを続けている。
キャンプ中から佐々岡真司監督は栗林の起用法に頭を悩ませていたが、すでにリリーフでの起用を明言。昨季にチーム最多の19セーブをマークしたフランスアが3月9日に右ひざの手術を受けたことに加え、対外6試合連続無安打・無失点と抜群の安定感を見せ、今や守護神筆頭となっている。
新人が開幕から抑えを任されることになれば、広島では2003年の永川勝浩(現投手コーチ)以来、18年ぶり。その年の永川はタイトルを獲得することはできなかったが25セーブを記録。その25セーブという数字は、現在でも新人の最多セーブ数として球団史に残っている。
現行規定の新人セーブ王は不在
プロ野球全体で見ると、新人による最多セーブの記録は山﨑康晃(DeNA)が2015年に記録した37セーブだ。しかし、この年はバーネット(ヤクルト)と呉昇桓(阪神)がともに41セーブをマークして『最多セーブ』のタイトルを獲得。山﨑は両選手に次ぐ3位だった。
平成(1989年)以降のデータを調べてみると、中継ぎのタイトルである『最優秀中継ぎ』は、岩瀬仁紀(中日/1999年)と攝津正(ソフトバンク/2009年)がルーキーイヤーに獲得している。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、勝率第一位投手(最高勝率)、そして沢村賞といった主要タイトルも、新人投手による獲得歴がある。近年では小川泰弘(ヤクルト/2013年)が最多勝と最高勝率の二冠に輝き、上原浩治(巨人/1999年)は、全タイトルを獲得している。
しかし、2005年に現在の規定となってから、最多セーブのタイトルを新人投手が獲得したことは一度もない。1976年(パ・リーグは1977年)から2004年までは、最多セーブというタイトルはなく、セーブポイント(セーブと救援勝利の合計)がもっとも多い投手を最優秀救援投手として表彰。その当時は、与田剛(中日/1990年)と三瀬幸司(ダイエー/2004年)が新人ながら同タイトルを獲得している。
中継ぎ陣に課題のあった広島にとって、勝ちパターンを再建することは順位を上げるための必須条件でもある。そのなかでも守護神の固定は最重要課題。その座を新人の栗林で埋めることができれば最高だ。指揮官の中ではもう決まっているという守護神の座を栗林が射止めることになるのか−−。開幕から守護神の座に着くことになれば、新人による最多セーブ記録の更新、そしてタイトル獲得も視野に入ってくる。
【新人による投手タイトル獲得】※1989年以降
<沢村賞>
上原浩治(巨人/1999年)
野茂英雄(近鉄/1990年)
<最多勝>
小川泰弘(ヤクルト/2013年)
上原浩治(巨人/1999年)
松坂大輔(西武/1999年)
野茂英雄(近鉄/1990年)
<最優秀防御率>
上原浩治(巨人/1999年)
野茂英雄(近鉄/1990年)
<最多奪三振>
上原浩治(巨人/1999年)
野茂英雄(近鉄/1990年)
<勝率第一位投手>
小川泰弘(ヤクルト/2013年)
上原浩治(巨人/1999年)※当時はセで表彰なし
野茂英雄(近鉄/1990年)
<最優秀中継ぎ>
攝津 正(ソフトバンク/2009年)
岩瀬仁紀(中日/1999年)
<最多セーブ>
不在
<最優秀救援投手>※2004年まで
与田 剛(中日/1990年)
三瀬幸司(ダイエー/2004年)