ハマスタに帰ってきた“小さな大魔神”
DeNAの山﨑康晃投手が23日、一軍復帰初戦となったロッテとの練習試合に登板し、1回を投げて三者三振と最高の結果で復活をアピールした。
無観客の横浜スタジアムに「ゾンビネーション」が響き渡り、山﨑康晃が7回のマウンドに登場。ロッテ期待の若手・安田尚憲相手から146キロのストレートで空振り三振を奪うと、同じく主砲候補の山口航輝には高めから落ちるツーシームで見逃し三振に、最後は中村奨吾を147キロのストレートで空振り三振に斬ってとり、見事な三者連続三振を披露した。
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山﨑は降板後、「最初の試合で結果が出て良かったなという安心感と、これからまた3日後には苦しいレギュラーシーズンが始まるという思い。チームの戦力として、一つひとつ階段を上がっていきたい」とコメント。今季のキャンプはプロ入り後初の二軍スタートとなったが、「精神的にも成長させてもらった。ファームでの調整が続きましたけど、いろんな景色で野球をさせてもらい、また違った姿で一軍のマウンドに帰ってこれた」と、久々の一軍マウンドを噛み締めた。
ファームでは「新球に取り組んだり、精神的にも今までより進化したいなと思い、コーチとコミュニケーションを交わしてやってきた」とのこと。「チェンジアップやツーシームなど、まだ色んなことに挑戦している段階」であることを明かし、この日も「今までより浅いツーシームで、カウント球で(ストライクを)とりにいったり、自分の優位なカウントで投球を進めるため」のボールを数球投じた。
山﨑自身も「今後、相手に嫌がられるボールになればいい。自分の武器として使っていきたい」と、精度を高めていく方針を口にした。三浦大輔監督は「気持ちが入っていて、ボールの走りも良くなっている」と、高評価を与え、「9回打ち切りなので、山﨑、石田、三嶋という、層の厚いリリーフ陣になると思う」と、番長流「勝利の方程式」を明かした。
ギリギリ開幕に間に合った“小さな大魔神”が、新球と成長した精神力を武器に、三浦ベイスターズを上昇気流に乗せていく。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)