「精神的な強さを感じる投手」
日本ハムのドラフト1位ルーキー・伊藤大海投手(23)は31日、本拠地・札幌ドームで行われた西武戦でプロ初登板・初先発。
味方の援護に恵まれない中、6回を投げて4安打・1失点の力投を見せた。
球団期待の“道産子ドラ1”が地元でデビュー…。
入場者には「観戦証明書」が配布されるなど、大きな注目を集めた背番号17の第一歩。初回はいきなり先頭の金子侑司を空振り三振に斬り、西川愛也は内角148キロでズバッと見逃し三振。二死から源田壮亮と森友哉に連打を許したが、中村剛也を捕邪飛に打ち取り、立ち上がりのピンチを無失点で切り抜ける。
2回も二死から四球と安打でピンチを招くも、トップに返って金子を三ゴロ。すると3回はこの日はじめての三者凡退。4回も2つの三振を奪って3人斬りと、徐々にギアを上げていった。
しかし、打線も相手先発・今井達也に大苦戦。四死球をもらってチャンスを作りながらもあと一本が出ない展開が続き、0-0で迎えた5回表。伊藤は先頭の呉念庭に対し、1ボール・2ストライクから勝負に行ったストレートがやや甘く入る。声をあげながら投げ込んだボールは完璧に弾き返され、あっという間にライトスタンドへ突き刺さるプロ初被弾。先に得点を許してしまう。
それでも、引きずることなく後続はしっかりと打ち取り、続投した6回もクリーンナップを3人斬り。球数は102となり、伊藤はここまででお役御免。すると打線が直後の6回裏にようやく1点をもぎ取り、ルーキーの黒星は消滅。試合はそのまま1-1の引き分けで終わった。
勝ち星こそ付かなかったが、6回を投げて被安打は4、与四球が2つ。三振は8つ奪い、失点は本塁打による1のみ。上々のデビュー登板と言えるだろう。
この日の伊藤大海について、31日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の高木豊氏は、「最初から落ち着いていましたよね。だいたい3球投げたら追い込んでいるような感じで、コントロールが素晴らしかった」と絶賛。「勝たせてあげたいと思うような内容でしたね」と、コメントにも思わず感情がこもった。
特に強みとして挙げたのが「度胸」。プロ初登板の初回、二死ながら一・三塁で中村剛也を迎えた場面について、「いきなりで怖かったと思うんですよ。そこでインコースで勝負に行くんですから(結果は捕邪飛)。かっこよかったですよね」と、その投げっぷりを高く評価。
また、唯一の失点となった被弾のシーンにも、「ここもかんたんに追い込んでいくんですよ。ただ、最後の勝負球に決めてやろうという力みが出た。甘く入ったところをうまく打たれたので、ちょっともったいなかったね」とコメント。それでも、与えた点はその1点のみ。「どの球でも勝負ができる。精神的な強さを感じました」と、力投のルーキーを讃えた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』