ピンチで芽生えた「自覚と責任」
試合開始直前、選手とスタッフに新型コロナウイルスの陽性判定が出たヤクルト。
計6選手が「特例2021」で登録抹消となり、前日のスタメンから5選手が入れ替わるという緊急事態に陥ったが、DeNAを相手に5-3で勝利。敵地2連勝でカード勝ち越しを決めた。
この日奮起したのが、前日に続いてスタメン出場した山崎晃大朗・塩見泰隆・村上宗隆の3人。山崎は1番打者として3安打を放ち、初回は走塁ミスもあったものの、3回は二塁から好走塁で生還、5回には安打と盗塁から塩見の適時打を呼び込むなど、持ち味をしっかりと発揮した。
その山崎を2度ホームへ還したのが、3番に入った塩見だ。3回は一死二・三塁のチャンスで、先発・入江大生の外の真っすぐを逆らわずに弾き返す2点適時打。5回は追い込まれながらも内角の変化球を今度は思い切り引っ張り、山崎を還す2打席連続の適時打。山田哲人や青木宣親、内川聖一という中軸不在のなか、ポイントゲッターとしての役割を果たす。
そして、こんな時こそ頼りになるのが主砲。村上は四球・三振と来て迎えた5回の第3打席で、入江の速球を左中間スタンドに叩き込む第2号の2ラン。チームに勝利を呼び込む2打点、まさに4番の仕事だった。
この日のヤクルトの戦いぶりについて、「これが“結束”ということですよね。ひとりひとりが自覚して、責任をもって戦った結果だと思います」と賛辞のコメントを送ったのが、31日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の高木豊氏。
同じく、解説を務めた斎藤雅樹氏は、「僕は塩見くんはこれぐらいできる選手だと思っているんですよ」と“新3番”の活躍をポイントに挙げ、「良い時期が短いという印象がどうしてもありますから、このまま1年間通して働いてもらいたいですね」と、今年は良いスタートを切った背番号9の飛躍に期待を寄せた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』