2021.04.02 17:45 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 0 | 終了 | 4 | 広島東洋カープ |
横浜 |
濱口粘投も実らず…
開幕して1週間、未だ勝ち星のないDeNAは2日、本拠地・横浜スタジアムで広島相手に試合を落とし、開幕から7戦勝星なしとなった。
初の開幕投手を任されながら3回6失点と結果を残せなかった濱口遥大が、未だ勝利のないチームを救う使命を果たすべくマウンドに上がったが、この日の躓きは初回の守備にあった。
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広島の先頭打者・田中広輔の打球予測を、名手・大和が誤り、内野安打で出塁を許すと、菊池涼介の三ゴロで併殺かと思われたタイミングで柴田竜拓が焦り二塁封殺のみ。続く西川龍馬の一ゴロで牧がセカンドへ送球すると、今度は大和が落球。一気にホームを狙って三本間に挟まれた菊池の走塁ミスで助かったと思いきや、鈴木誠也に四球、続く松山竜平の適時打で先制を許した。
初回の失点に濱口は「チームが勝てていない状況で、初回に先制点を与えてしまいチームに流れを作ることができなかった」と悔やんだが、堅守を誇っていた二遊間コンビの綻びが、前日からの嫌な流れを引きずってしまった。
3回には田中の内野安打と、菊池の引っ掛けた当たりが三遊間を抜ける当たりとなり、不運な形でピンチを迎えたが、西川の鋭い当たりを柴田が好捕し、続く鈴木誠也を併殺打で打ち取ると、濱口も尻上がりに状態を上げていった。しかし6回、西川にレフトスタンドに運ばれ「大事なところで追加点を与えて悔いが残る」と、濱口もガックリの一打で追加点を奪われてしまった。
試合後、三浦大輔監督が「前の回から左足に張りがあった」ことを明かすなど、異変を感じた中でも踏ん張りを見せた濱口。昨年苦しんだ“6回の壁”を超えて投げ抜いたという部分では、「エース」を目指す男の意地を見せた。5回を投げ終えて72球と、濱口にしては球数も少なく調子は上々だっただけに、初回の守備の乱れで22球を費やしたことが、のちの異変や継投に大きな影を落とした“元凶”とも考えられ流だけに、悔やまれる一連の流れだった。
大瀬良の前に打線は沈黙
打線はカープのエース大瀬良大地の打たせて取るピッチングに翻弄され、チャンスすら作れぬ状態。昨日の猛打が嘘のように、淡々とアウトを積み重ねていった。三浦監督も「ストライク先行でいかれた。対策は持っていたが自分たちバッティングをさせてもらえなかった」と脱帽した。
大瀬良降板後の8回には広島の失策も絡み、二死満塁とチャンスは作ったが、関根大気の鋭い打球をサードの矢野に好捕されてしまった。最終回も先頭の牧秀悟が四球で出塁後、佐野恵太のライトに抜けそうな打球を、堂林翔太にダイビングキャッチされるなど、最後の最後まで流れを掴むことは出来なかった。
新人監督の7戦勝ち星なしはワースト記録となり、三浦監督は「結果として受け止めなければならない」と自戒しながらも、開幕で不甲斐ない投球を見せた濱口については「前回から1週間しっかり調整して、気持ちの入った投球だった。表情や投げている姿を見ても何とかしてやろうという投球を見せてくれた」と評価した。
また、初回の守備の乱れにも「送球が重なって、大和としては珍しいプレーだが、有り得ること」と擁護し、沈黙の打線にも「悪くはない。今日は上手く抑えられたがチャンスは作った」と誰も責めることはなかった。「明日勝てるようにやっていくだけです」と、完敗にも前を向いた三浦監督に勝利の女神は微笑むのか−−。負の連鎖を断ち切り、白星を手にする瞬間を横浜のファンは待ち望んでいる。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)