2021.04.04 14:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 3 | 終了 | 1 | 広島東洋カープ |
横浜 |
4年目右腕が5回0封
開幕から8試合に渡って勝ち星のなかったDeNAが4日、9試合目となった横浜スタジアムでの広島戦で今季初勝利。開幕ローテーションを外れたプロ4年目の右腕・阪口皓亮投手がプロ初白星を手にし、未だ勝ち星のなかった三浦大輔新監督に待望の1勝目を届ける“ダブル・メモリアル・デー”となった。
初回、広島の先頭打者・田中広輔のショートゴロがセーフと判定されると、三浦監督がすかさずリクエストを要求し、これが見事に成功。2回には戸柱恭孝とのバッテリーで三振ゲッツーを奪っリズムに乗った。3回にはレフトの佐野恵太が田中広輔の打球を後逸したが、そのミスをしっかりとカバー。するとその裏、今季初スタメンの神里和毅が右中間へ先制ソロを放った。
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直後の4回には、この回の先頭・鈴木誠也が左中間に弾き返した打球を、神里がダイビングキャッチで好捕。チームを盛り立てると、その裏に宮﨑敏郎がレフトへソロを放って加点した。前日に三浦監督が指摘した“流れ”をモノにすると、5回には代打・宮本秀明が四球で出塁し、盗塁に成功。牧秀悟の適時打で3点目を加えた。その後、8回、9回と、広島打線の追撃を何とか振り切り、今季の初勝利を手にしている。
阪口は「気持ちを前面に出していく」と誓ったマウンドで躍動。「配球のことはことは任せて、全力で腕を振ってくれ」との要求通り、110キロ前後のカーブと、150キロを超えるストレートで緩急を駆使しながら、カットやスプリットを低めに丁寧に投げ込み、5回を無失点に抑える快投を披露した。
三浦監督も「角度のあるストレートが持ち味で、縦のカーブも(戸柱が)しっかりと止めてくれるから思い切って投げられていた。良いコンビネーションだった」と、バッテリーを称えた。
試合後、指揮官は「長かったです。ひとつ勝つ大変さを改めてすごく感じた期間でした。寝たり起きたりで熟睡は出来なかった」と苦しんだ日々を回顧。「ファンの方の姿、スタンドを見て嬉しかった。ひとつ勝っただけですけど…ひとつ勝って嬉しかったですね」と喜びをかみ締めた。
ニューヒーローとなった阪口と、その阪口を巧みにリードした戸柱のバッテリー、指揮官のスタメン起用に結果で応えた神里、今日も活躍したルーキーの牧、そして必死に腕を振ってリードを守ったリリーフ陣…「全力で戦っていくしかない」を体現した“横浜一心”で掴んだ勝利に、やっと笑顔の花が咲いた横浜の街。片目があいた“三浦丸”の反撃は、ここからだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)